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チャイナリスクと転注先探し

GW明け辺りからやたらと低価格指値での見積もり案件が増えてきた。
指値の金額を聞くだけでお断りするような案件。探している理由を聞けば『中国が本気でヤバそうなので』が共通。普通に見積もれば材料代が出るか出ないかレベルの金額で切削+焼入れ+研磨+膜厚管理のメッキまで含まれている物も。どうやって利益を出していたのか逆に聞きたいぐらいの品ですが、『金額は上げられないので外注含めて何とか探して』と懇願される。為替の影響で材料代だけでも足出る可能性がある物を受ける所なんて今無いでしょう。単発仕事で多少赤字でもキャッシュ回さないとすぐに吹き飛んじゃうような会社なら別かもしれませんが、継続仕事では探しようがないです。

仕事が日本に戻ってくるという傾向は歓迎すべきなのかもしれませんが、金額据え置きでは受ける所は出てこないでしょう。普通に考えても価格が見合わずに海外へ転注されていった品が製造国のリスクが高まっているからとただでさえ製造コストが上がってしまっている所に新興国価格のまま戻ってきても出来ない、やれないです。残っている会社は少ロット高単価の仕事やノウハウ活かしてブルーオーシャン業務にシフトしているか、サプライチェーンに組み込まれて他社の仕事は受けられない所が大半だと思います。
今更新規でライン組んで大量生産品を受けられる会社って限られていますし、既存品を設備してラインを組むとなると単価がそもそも見合わないと思います。

メーカーとしては自社製品の価格を下請けの要望で強気にポンポン上げられる様なモノでもありませんし、【先ずは同じ価格で出来る所を探す】なんでしょう。ただ、価格重視で部品集めしているメーカーさんは今後の品質劣化が心配。図面に記載されている寸法から外れても『この価格でやってやってんだから大目に見てよ』と押し切られるか『文句があるなら仕事引き上げてくれ』と言われる気がしますね。


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