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Googleがオープンかつ商用利用可能で軽量な大規模言語モデル「Gemma」を公開


Googleは2024年2月22日に、オープンソースの大型言語モデル「Gemma」を発表しました。このモデルは、多様なモードを扱うGemini AIに比べてより軽量であり、商業目的での使用も認められています。

Googleからの提供であるGemmaは、最新の軽量オープンモデルの一員です。 | Google AI for Developers https://ai.google.dev/gemma?hl=ja

Gemma: Geminiの研究と技術に基づくオープンモデル (PDFファイル)https://storage.googleapis.com/deepmind-media/gemma/gemma-report.pdf

「Gemma 2B」と「Gemma 7B」という、それぞれ20億と70億のパラメータを持つ二つのバリエーションが存在し、両方ともに「事前学習されたモデル」と特定の用途に特化して微調整された「インストラクションチューニングモデル」が提供されています。Gemmaの使用条件には、組織の規模に関わらず、商業目的での使用と配布が許可されていると明記されています。

GemmaはGoogle ColabやKaggle Notebook、JAX、PyTorch、Keras 3.0、Hugging Face Transformersなど、Google Cloudで利用可能な開発ツールをサポートし、ノートパソコン、ワークステーション、またはGoogle Cloud上で実行できます。

GoogleはNVIDIAと連携して、Google Cloud TPUやNVIDIA GPUでのGemmaの最適化を図っていると発表しました。NVIDIAは、Gemmaが将来的に「Chat with RTX」というNVIDIAのGeForce RTX GPUで動作するチャットボットAIのモデルとして選択可能になると述べています。

さらに、GemmaはGoogle Kubernetes Engine(GKE)にデプロイ可能であり、「Vertex AI Model Garden」という事前に構築された機械学習モデルの集約プラットフォームにも追加されています。これにより、開発者は自分たちでチューニングしたモデルをスケーラブルなエンドポイントへと容易に変換し、あらゆるサイズのAIアプリケーションを強化できます。

Googleは、質疑応答や推論では他のモデルと同等、数学・科学やコーディング分野ではそれらを上回るパフォーマンスを示すGemmaの優れた能力を、LLaMA 2の7Bと13Bモデル、Mistralの7Bモデルとの比較によって示しています。

また、GoogleはGemmaの発表と同時に、「責任ある生成AIツールキット」もリリースしました。これは、「責任を重視した設計」、「堅固で透明性の高い評価」、「責任ある開発の支援」という三つの主要な要素に焦点を当てたものです。Googleは「GemmaはAI原則に基づいて設計されており、特定の個人情報や機密データをトレーニングセットから自動的に除外する技術を用いて、事前トレーニングモデルを安全かつ信頼性の高いものにしています」と説明しています。


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