装甲騎兵ボトムズ CASE;IRVINE(ケースアーヴィン)とは何か
前の記事から来てくれた皆様はおはこんばんにちは
初めての方は初めまして
今回はボトムズフェスティバルのために髙橋監督以外の手によって新世代ボトムズの1つとして生み出されたCASE;IRVINEについて解説させてもらおう
例によってネタバレ全開なので未見の諸氏は注意して下され
赫奕たる異端以降久し振りに手描きで描かれるボトムズOVA
本作は2006年のペールゼンファイルズ以降CGで描かれてきたATを全て手描きで描き、新世代ボトムズの一環として装甲騎兵ボトムズと同じ世界観を共有する新主人公の短編として生み出されたのだ
久方ぶりに主軸として描かれたバトリング
本作ではATによる模擬あるいは本気の戦闘を見世物にする遊戯、バトリングが話の中心に据えられており、ビッグバトルのようにAT同士の血湧き肉躍る格闘戦が目白押しとなっている
ロボットプロレスが好きなら見て損はないだろう
PTSDに悩まされる主人公とその克服の物語
本作の主人公アービンは表向きは妹と共に退役軍人としてATの整備工場を営み、裏では負け役専門のバトリング選手「ザダーク」として日々負け犬と罵られながらも鎬を削っていた
だが彼は勝てないわけではない
勝たないのだ
だからこそ彼は負け犬に扮し、うらぶれたボトムズ乗りとして唯一の肉親である妹の目を欺きながら今日もバトリングで日銭を稼ぐのだ
規格外の敵ATとそのパイロット
本作のメインの敵となるペイガンであるが、彼について多くは語られない
だが彼はある種の狂気に駆られている
終わったはずの戦争とその勝利をバトリングに求めるという狂気に
そして彼はその獰猛な戦いぶりから死神と呼ばれ、対戦相手の命を奪うことに固執している
だが、彼の腕前を持ってしても殺せなかった男がいた
それがザダークを名乗り、負け役専門のバトリング選手として出場していたアービンその人だった
そこから彼はアービンに執着し、アービンを殺すため、マシンに敗者たちの残骸を組み込んで怪物と化していくのであった
ストーリーのあらすじ
アストラギウス銀河のギルガメス連合に属するどこかの星にある鉄の街
そこにはアービンとドナの兄妹が生きていた
そして戦争の傷によって時折酸の雨が降り注ぐその街では放出されたATを用いたバトリングが夜ごと盛んに行われていた
そして兄、アービンはドッグザダークを駆る負け役専門のバトリング選手、ザダークとして今日もバトリング場で戦っていた
そしてブラッディドッグを駆るペイガンに出会ったときに止まっていた彼の運命は動き出した
アービンに執着するペイガンはその肥大し続ける勝利への欲求が如く機体を肥大化させ、正に規格外の怪物となり、鉄の街を蹂躙していく
そしてペイガンに対抗するべく機体を強化したアービンは自らの過去と現在迫り来る脅威を退けるべくペイガンとの決戦に挑む
彼らの運命や、如何に
後書きとか諸々
本作は髙橋良輔監督以外の手によって描かれたボトムズの1つであり、過去に古傷を抱えた退役兵士アービンのある意味人としての再生の物語となっている
往年のファンには賛否のある本作であるが、純粋にAT同士の激しい格闘戦を楽しみたい人にはお勧めの一作だと筆者は思う
是非彼らの戦いの行方を見届けてあげて欲しい