機甲猟兵メロウリンクとは何か

前の記事から来てくれた皆様はおはこんばんにちは
初めての方は初めまして、八々斜目と申します
今回も前回に引き続きボトムズの関連作にして外伝、青空が似合う爽やかな復讐劇、機甲猟兵メロウリンクについて語らせてもらおう
今回も言わずもがなネタバレ全開なので未見の諸氏は注意してくだされ

機甲猟兵メロウリンクとは何か

機甲猟兵メロウリンクとは装甲騎兵ボトムズと同じ世界観の中、キリコ達の冒険の裏側で仲間達を貶めた元上官達にパイルバンカーを突き立てた、一人の青年の復讐の物語である
どんな劣勢に立たされても、知略を駆使し、身体を張り、元上官達の乗り込む巨人に一矢報いた、最も愚直で最も強き男の物語である

大塚明夫氏の鮮烈のアニメ声優デビュー作

見出しにも書いたとおり、本作はMGSのスネークやガンダム0083のガトーなどで知られる大塚明夫氏のアニメ声優デビュー作(本作出演前から舞台は経験済み)であり、もう一人の主役ともいえる狂言回しの情報将校、キーク・キャラダインを演じている
爽やかな恰好良さの中に一滴の毒が混じるような危うい色気のある声は若いときならではと言った感じであり、現在とはまた違った良さがある
また、次回予告にナレーションも兼任しているため、本作は至る所でその頃の声を聞くことが出来る

ジャイアントキリングのための練り込まれた策略

本作は装甲騎兵ボトムズと同じ世界観であるため4m級の巨人といえるATが存在しており、ソレとソレに乗った元上官達を生身のメロウリンクが旧式の対ATライフルと銃剣のように接続されたパイルバンカーにバイクと地雷、そして鍛え抜かれた肉体を武器として打倒する復讐劇であり、その圧倒的な戦力差を覆すために組み立てられた戦略のカタルシスがたまらない
相手を地雷原におびき出して動きを封じる、閉所を使って行動を制限するなどあの手この手を使ってメロウは敵を倒すのだ
何故ロボットであるATを使って戦力差を埋めないのかって?
メロウは対ATライフルだけを持たされて仲間達と共に捨て駒にされた
だからこそその忌まわしきライフルで復讐を遂げねば、彼は気が済まないのだろう
そう言うどこまでも愚直で不器用な男なのさ、メロウは

ストーリーのあらすじ

アストラギウス銀河における第三次銀河大戦の休戦、実質的な100年戦争の終戦から少し経った惑星ミヨイテ、そのギルガメス軍前線基地に向かう一台のトレーラーを一人のスナイパーが狙っていた
そして放たれた弾丸は見事トレーラーの燃料タンクを撃ち抜いたのか車体は爆散し、生き残った乗員はそのスナイパーにドッグタグを渡され、「ドッグマン大尉に伝えろ、地獄の底から挨拶に来たと」と伝えられると歩いて前線基地へと向かっていった
この襲撃を知らせるために

そして前線基地では件のドッグマンと勝負師の女ルルシー、ドッグマンに話を聞きに来た情報将校のキークの三人が賭けポーカーのようなゲームに興じていた
そんな中トレーラーから放り出された兵士が前線基地に辿り着き、ドッグタグが大尉の元に届けられた
そのドッグタグを見た瞬間、ドッグマンの顔は青ざめ、ゲームを一時中断して司令室へと急ぐ
そしてメロウの襲撃をバララント軍による奇襲であると言い放ち、ハーフトラック戦車部隊を出撃させたのであった
メロウの運命や、如何に

後書きとかいろいろ

今作は装甲騎兵ボトムズの前作太陽の牙ダグラムで高橋監督と共同監督をしていた神田監督の作品であり、兵器への造詣の高さによる細かい描写とミリタリー系作品としては比較的純真な主人公メロウによって濃厚な戦場の雰囲気を出しつつ、青空が似合う爽やかな復讐劇となっている
また、人型ロボと言う強者に生身の人間が挑むという実験的な試みが多い80年代OVAの中でも特に尖った独特のストーリーラインであり、4m級というロボットアニメの中でも一際小さく、人との距離が近いボトムズの世界観だからこそ成立したフォーマットと言える特殊な作品である
だが視聴者が身構えることなど無い
生身で奮闘する復讐者メロウの生き様を楽しめばいいのだから
どうか、見届けてあげてほしい

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