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PHANTOM NIGHTMARE新規テーマ【粛声】の考察と解説


 皆さんお久しぶりです!
前回執筆からおよそ3ヶ月経ちました。時の流れは早いですね。
この9月の制限改定からいよいよもって壱世壊から離れ、自分に合うデッキを捜し歩いているむらかみです。
最近は路頭に迷ってストレイストリートでマイフレンドに会ったりしていました。

 さて、今回は「PHANTOM NIGHTMARE」で登場した新テーマ
【粛声】の登場初期の考察と解説noteとなっております。

発売3日目に執筆を始めているため、自分の中でもまだまだ発見が生まれる毎日ですが、
【粛声】というテーマの強みと弱みについて
現時点で考察と解説をやっていこうと思います。

本noteでは私の以前までのnote同様以下のように表記します。
【デッキ名】
『カード名』
《ギミック名》
基本的には正式名称で記載は致しますが、誤字脱字があった場合には
こっそり教えていただけると助かります。


●【粛声】ってどんなデッキなの?


【粛声】は遊戯王初期のカード『ローガーディアン』及び『ローの祈り』を
リメイクしたおじいちゃんホイホイな儀式テーマのデッキです。
10月30日現在、既に構築が二分され始めており、
大きく分けて「展開系」と「ミッドレンジ型」の形の【粛声】が存在しています。
本noteでは後者の「ミッドレンジ型」の【粛声】について構築の深堀を行っていきます。


●トンデモスペックな《粛声》カード達の紹介


その前に平成から令和にタイムスリップする過程でとんでもない進化を遂げたカードを紹介していきます。

『粛声なる守護者ローガーディアン』

《粛声》のエースモンスターです。かっこいい。
儀式召喚成功時に《粛声》モンスターおよび戦士族・ドラゴン族の儀式モンスターをサーチすることが出来ます。

また後述の『粛声の祈り手ロー』がフィールドに存在する限り
万能無効効果を持ち、攻撃力が2050上がって4100になります。
攻撃力のほうはフィールドだけじゃなく墓地でもいいんですけどね。

『粛声の祈り手ロー』

 《粛声》の根幹となるカードです。
『ローの祈り』の女の子が二十数年の時を経て可愛くなって帰ってきました。
いや、元々かわいかったけど現代の可愛さを身に着けた感じでしょうか。
そんな話はどうでもいいですよね。

性能としては
①の効果で召喚・特殊召喚成功時に、デッキから《粛声》永続魔法か永続罠をフィールドに置くことができます。
この効果で置くことができる、
『粛声なる結界』と『粛声なる威光』の2枚はぶっとんだ性能をしており、
そのカードに触れられる『粛声の祈り手ロー』もぶっとんだ性能ということになります。

②の効果は光属性の戦士族・ドラゴン族の儀式素材の代用となる効果をもっています。

③の効果も結構ぶっ飛んでいて、
儀式モンスターが”特殊召喚された場合”に墓地から勝手に飛び出してきてくれます。
この特殊召喚された場合というのがかなり強く、これまた後述の『粛声の竜賢聖サウラヴィス』や、『粛声なる祈り』によって召喚条件を無視して儀式モンスターが飛んできた場合にもしっかり反応して駆けつけてくれます。

『粛声の竜賢姫サフィラ』

 儀式召喚を一段階先に進めた《粛声》の基盤となるカードです。
そもそも既存の儀式テーマというのは儀式モンスター+儀式魔法+儀式のリリースの
3要素を用意することが必須
となっており、そのボーダーがとても高いものでした。
そんな儀式テーマの弱点を一挙に解決したのが以下の効果です。

①手札から墓地に送ることでデッキから儀式魔法を墓地に送り、デッキから儀式モンスターをサーチできます。

②の効果では墓地のこのカードを除外することで儀式召喚が出来ます。

この2つの効果で実質『儀式の下準備』と同様の働きをしてくれます。
1枚で必要なパーツ2枚分になってくれるということですね。

また、『粛声なる祈り』は墓地効果がとても強力なため『儀式の下準備』よりも強い場面が多いです。

『粛声の竜賢聖サウラヴィス』

 なぜか儀式モンスターに変身できるおじいちゃんです。
①手札・墓地から儀式魔法を含む魔法カード2枚をデッキに戻して特殊召喚できます。
このカード自体がATK2600/DEF2800と高ステータスであり、戦闘破壊以外の盤面処理能力が低い《粛声》にとっては頼れる切り込み隊長です。

②の効果があまりにも強く、
相手がカードの効果を発動した時という激ゆるトリガーでフィールドのこのカードを手札に戻し、
デッキから儀式モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚します。
主にこの効果で『古聖戴サウラヴィス』を出し、相手のチェーンに乗らない特殊召喚を無効にし除外する妨害を構えます。
一応デメリットとして次のターンのエンドフェイズに出した儀式モンスターが手札に戻りますが、
それでも十分すぎる効果を持っています。

『粛声なる祈り』

 由緒正しき儀式カード
《粛声》の基本ギミックとなる儀式カード…なんですが
前述の『粛声の竜賢姫サフィラ』で儀式することが多いので、どちらかと言えば墓地効果がメインみたいなところがあります。そんな墓地効果がこちら。

自分フィールドの表側の光儀式モンスターが相手の効果によって場を離れた場合
このカードを除外して『古聖戴サウラヴィス』、『竜姫神サフィラ』、『粛声なる守護者ローガーディアン』のいずれかを召喚条件を無視して完全特殊召喚します。
この特殊召喚時に墓地に『粛声の祈り手ロー』がいる場合、しっかり墓地効果が発動してくれるんですよね。
例えば、『天雷霆アーゼウス』に全て吹き飛ばされても、即座にリカバリが出来るというわけです。

 対象耐性と万能妨害を持つ41打点を効果で処理しても、なんら変わらない姿で2号機が出てきます。
これが《粛声》のぱっと見突破しやすそうで突破できない、しても返しきれないという状態を作るキーになっています。

『粛声なる結界』

 粛声ストレイストリートマイフレンドってコト!?
『粛声の祈り手ロー』で置ける《粛声》最強カードの1枚です。

①の効果は『粛声の祈り手ロー』と光属性の儀式モンスターが自分フィールドに存在する場合、
自分フィールドの光モンスターに対象耐性を与えつつ、相手は儀式モンスターにしか攻撃できなくなる

という鉄壁の守りを敷くことが出来ます。

 この対象耐性というのは現環境でかなり有用で、かつ儀式モンスターにしか攻撃できなくなるので
『粛声の祈り手ロー』を除去して『粛声なる守護者ローガーディアン』の万能無効を無力化するなどのプランを拒否することが出来ます。

 このカードも『粛声なる祈り』同様突破できそうな盤面なのに突破できない、
突破にリソースを使わないといけないという状態を作り出すことが可能となっています。

そんな守りのカードにはもう一つ効果があり、
1ターンに一度起動効果でデッキから《粛声》カードを手札に加えることが出来ます。
もう一度言います、起動効果でデッキから『粛声なる結界』以外の《粛声》カードを手札に加えることが出来ます。

 いやいやいや、そんなまさか。流石にねって思いながら何回かテキストを確認し直したくらいのことが書いてあります。

こんな毎ターンサーチ効果つけていいんですかね。いいんでしょうね。
儀式テーマだし大丈夫だと、①の効果は『ピュアリィ・ストレイストリート』だけど
墓地から蘇生する効果もないし、②の効果は『ピュアリィ・マイフレンド』だけど墓地からメモリーも回収できないし大丈夫だというドヤ顔が浮かんでくるようなテキストになっています。

 その結果できたのがこの《粛声》ストレイストリートマイフレンドです。
一体『スタンドアップ・センチュリオン』の発動ターンのみという縛りはどこに消えた。
まぁ強いからありがたいんですけど。

このカードへの熱が高すぎて茶番もはさみましたが、この継続リソースという面が非常に強く
『粛声の竜賢姫サフィラ』の項目でも触れましたが儀式テーマ特有の儀式モンスター+儀式魔法+儀式のリリースという動きのボーダーを快適にしてくれます。
《粛声》をトーナメントレベルまで押し上げるに至っている一番のキーカードです。

『粛声なる威光』

妨害兼リソース…『壱世壊に響く哀唱』?
『粛声の祈り手ロー』でフィールドに置ける《粛声》の永続罠です。

 メインフェイズ限定ではあるものの選択制の効果となっており
1つ目は手札・墓地から光属性戦士族・ドラゴン族の儀式モンスターもしくは儀式魔法をデッキに戻すことで《粛声》モンスターを手札に加えるか、フィールドに特殊召喚することができます。
この効果は『粛声なる結界』同様継続リソースかつ、デッキから特殊召喚することが可能なため、
前述の『粛声の竜賢聖サウラヴィス』を軽率にフィールドに用意することが出来ます。

 2つ目は自分フィールドの光属性戦士族・ドラゴン族の儀式モンスターの数まで相手フィールドのカードを対象として、
そのカードとこのカードを破壊
する効果です。

 この効果では『粛声なる威光』自身も破壊してしまい、現状の《粛声》には墓地から罠カードを回収する効果が存在しないため
基本的には使い切りの、まさに最終奥義のような効果になっています。
最終奥義にしては破壊できる枚数が少ししょっぱい気はしますが…
とは言えリソース兼妨害札というかなり使い勝手のいいカードではあるので
激つよカードに間違いはないですね。

●【粛声】の強みと弱み

〇強み

前項でも触れた通り《粛声》カード達は相互でサーチしあうことで儀式の再現性を高めながら、
万能無効を用意しながら対象耐性かつ攻撃誘導を行う41打点を盾に
継続リソースとなるカードを用意
することで相手に負荷を押し付けながら、相手とのアドバンテージを広げていくことが可能になっています。

〇弱み

《粛声》並びに、《粛声》でサポートできるカード群に
相手のフィールドに直接関与できるカードが存在しません。

そのため相手の盤面を処理する方法がバトルフェイズに上から打点で殴るという
由緒正しい数年前の遊戯王をすることを強要されてしまいます。
故に横並べの展開にも苦戦します。
また『粛声なる結界』の対象耐性付与も『粛声の祈り手ロー』と光属性の儀式モンスターを揃えないと効力を発揮しないため
単純な貫通力が足りない場面が出てきます。

●参考デッキリスト

〇『神光の宣告者』入り【展開型粛声】

参考元:ジェセルさん
 『神光の宣告者』を始め、『オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン』などの
《粛声》と相性のいい儀式を出張させ、先攻盤面に特化した構築です。
『儀式の準備』、『儀式の下準備』、『強欲で金満な壺』をフル投入して強固な先攻盤面の再現性を担保しています。

 後攻時にも『神光の宣告者』が成立できればそれを盾に展開を押し通すことが可能となっています。
とはいえ結局相手の盤面に直接触れるカードが無いため根本的な解決にはなっていないのが【粛声】としての欠点は抱えたままかなとも感じるところですね。

〇【ミッドレンジ型粛声】

 私が情報公開時から考えていた構築です。
こちらの項目については、次の●【ミッドレンジ型粛声】の解説の項目について深掘りしていこうと思います。

●【ミッドレンジ型粛声】の解説

〇メインデッキ採用カード

 《粛声》カードについては大まかに触れているので採用枚数について触れていきます。

『粛声なる守護者ローガーディアン』2~3枚

 1枚でもデッキとしては機能するカードですが、このカードを増やすメリットは存在しています。
それが誘発受けと初動確保です。

 この誘発受けについては別項目
●なぜ【ミッドレンジ型粛声】を選んだのか で解説しますが、
『粛声の竜賢姫サフィラ』に『灰流うらら』を打たれた場合
手札に『粛声なる守護者ローガーディアン』があることが貫通に繋がります。

 分かりやすい例を出すと、『粛声なる守護者ローガーディアン』+『粛声の祈り手ロー』+『粛声の竜賢姫サフィラ』のようなハンドでは

『粛声の竜賢姫サフィラ』の墓地効果で『粛声なる守護者ローガーディアン』を儀式召喚。
『粛声なる守護者ローガーディアン』の儀式召喚時の効果で『古聖戴サウラヴィス』をサーチし
『粛声の祈り手ロー』を特殊召喚することで、
『粛声の祈り手ロー』への『無限泡影』をケアすることが可能になります。

 『粛声なる守護者ローガーディアン』へ『無限泡影』を当てられても結局『粛声の祈り手ロー』の効果は通りますし、
効果さえ通れば『粛声なる結界』を置くことが出来るため以降の無効系誘発を食らわなくなります。
このようなケア展開をする際に3枚採用がアドバンテージになると判断し今回はフルで採用しています。

『粛声の祈り手ロー』3枚
最強カードなので3枚です。
減らす理由が一切ありません。

『粛声の竜賢姫サフィラ』3枚
 こちらも3枚確定です。1枚で儀式召喚のハードルを下げてくれます。
レベル6なのだけ弱い。

『粛声の竜賢聖サウラヴィス』1枚
 このカードは1枚でいいです。正直2枚目が欲しい場面も一定ありますが、
特殊召喚するには儀式魔法+魔法カードをデッキに戻す必要があるため、
『粛声なる祈り』というリカバリカードを手放すこと
になり、魔法カードが使えていないとそもそも気軽に特殊召喚できないということが発生します。

 2枚目が欲しい場面はこのカードをリリースして儀式をしないといけなくなった時だけです。その際には『古聖戴サウラヴィス』を用意することが難しくなるため
『アクセス・コードトーカー』などのモンスターに対する解答が無くなってしまうという場面が発生します。

 レベル7だから初動無い時に無理やりリリースできるけど、デッキパワーが下がるという状態ですね。
難しいカードです。増やしたら増やしたで事故になるのでまぁ1が妥当でしょう。

『粛声なる結界』3枚
 3入れない理由がありません。
しかしこのカード1枚では初動にならないことも覚えておきましょう。
一応『リンクリボー』+『粛声の竜賢聖サウラヴィス』+『粛声なる結界』+『粛声なる威光』の盤面は作れますが…

 儀式のリリースになる『粛声の祈り手ロー』か、儀式を進める『粛声の竜賢姫サフィラ』の一方にしか触れないので完全1枚初動というわけではないんですよね。
しかし一方で『粛声の祈り手ロー』以外で唯一『粛声なる威光』にアクセスできるカードですので
やっぱり3入れない理由ないですね。

 そもそも一番アクセス幅が広いこのカードを減らす意味ないです。
先攻の強さの大半はこのカードですし。

『粛声なる威光』1枚
 1枚です。ただ正直めっっっっちゃ2枚欲しいです。
理由はシンプルに1枚だと軽率に破壊効果が使えないからですね。
とはいえ『粛声の竜賢聖サウラヴィス』と同様に1枚で何かをするカードではないので
増量は事故に繋がります

泣く泣く1枚の採用です。

ここからは《粛声》以外のカードの採用理由と枚数について触れていきます。

『古聖戴サウラヴィス』2枚~3枚

 おじいちゃんの儀式の姿です。
基本的には『粛声なる守護者ローガーディアン』の枚数と相談して2か3かを判断するのがいいと感じています。

 ほんの少しでも事故を嫌うなら『粛声なる守護者ローガーディアン』を3枚にして、ほんのすこしでも無効系誘発などを簡単にケアするなら『古聖戴サウラヴィス』を3枚といったイメージです。
もちろん両方3枚採用もありだと思いますが、それはそれで事故りそうとも思ったりしています。

 しかし1枚ではダメな理由が明確に有ります。
それは
上振れ展開時に『古聖戴サウラヴィス』+『粛声の竜賢聖サウラヴィス』という盤面を作成する可能性があるためです。
こちらの展開については●【ミッドレンジ型粛声】の目指す盤面にて触れていきます。

『宣告者の神巫』3枚

 1枚初動のカードです。3枚から減らすこともないでしょう。
ただしこのカードで落とすカードについて結構勘違いをされているプレイヤーも多いので少し解説を。
【ミッドレンジ型粛声】にとって『虹光の宣告者』を墓地に送るという行為が別段強くありません。
 レベルも6になって儀式のコストにもならないし、サーチ先は『粛声の竜賢姫サフィラ』で解決するものばかりですし、なんなら1/2のパワーしかないですね。
このあたりのエクストラデッキの枠的なところも【ミッドレンジ型粛声】の強みになっていきます。

『トリアス・ヒエラルキア』1枚

 『宣告者の神巫』から落とすカードです。
またこのカードが手札・墓地にいるだけで『粛声の祈り手ロー』や『宣告者の神巫』への『無限泡影』などをケアできます。
あとよく2枚リリースの破壊効果を狙えます。

『儀式の下準備』3枚

 同名ターン1があるため被ると弱いですが、『粛声の竜賢姫サフィラ』の嵩増しとして、
『灰流うらら』のおとり、貫通札として採用しています。
 被ったら被ったで『粛声の竜賢聖サウラヴィス』でデッキに戻せばいいしね。
このおとりという役割については次のカードで一歩進んだ解説をします。

『強欲で金満な壺』3枚

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