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黄金道路 #12完

 島倉千代子が歌った襟裳岬は昭和36年(1961年)にヒットし、昭和49年(1974年)の紅白歌合戦では、紅組のトリで島倉千代子が歌い、森進一が白組のトリで、それぞれの襟裳岬を歌ったのである。えりもの人たちは、わが世の春を満喫したのだった。

 先日、それぞれの襟裳岬の曲をユーチューブで聴いてみた。
 目を閉じて聴くと、襟裳の人たちが、雄大な襟裳の自然の中で、しがらみや苦悩を乗り越え、身を寄せ合って、強く強く生きていくさまが感じられて心に迫った。 
 
 島倉千代子の歌詞には、「風はひゅるひゅる波はざんぶりこ・・・」と襟裳の自然の厳しさが表現されているように思う。
 森進一の歌った歌詞には、「・・・襟裳の春は 何もない春です」と、厳しい大自然の中で必死に生きる人々の心情が綴られている。 
 どちらの歌からも襟裳の岬悠久の歴史の中で、じっと耐えてきたたくましさが感じられてならない。

 厳しい風や波、雨や雪に耐える王者の風格をそなえた岬こそ、襟裳岬である。


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