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小説「熊雄」を連載させていただきます。15回ほどに亘って綴ってまいります。 前回の連載小説…
達雄の父は富山県の出身で、達雄は小さいころから父親に付いて、本州の山々に入っていた。そ…
熊雄が生まれて一年が経った。 彼の姿は依然として真っ黒な、しかも太い毛が体中に生えた…
熊雄、三歳になった。 依然として熊雄の体中の黒い毛は抜けなかった。このまま成長してし…
熊雄が七歳の時の春、父親の達雄は熊雄を連れて家の裏山にタケノコ(ネガマリダケ)採りに出…
日が高くなり、達雄は竹藪を抜け、見晴らしの良い場所に出て熊雄に声をかけた。 「熊雄! …
その後、熊雄と八重は結婚した。 八重は全身毛だらけの熊雄に対して不安はあったが、見た目より熊雄の性格の良さを選んだのである。周りからは、「八重、後悔するぞ」「やめろ」など様々な批判があったけれども、この人と一緒になると決意した八重であった。 八重が熊雄との結婚をすることについて、名寄にいる八重の両親は複雑な心境であった。八重が帰省した折、母親から熊雄のことについて、種々聞かれた。父親はストーブの前の定位置にドカッと座り、二人のやり取りを聞いていた。そして、 「かあさん