若者にこそ未来がある
●変化を読み取れるか
新クラスが発表されて、最初は落ち着かない日々ですが、そのうち多くの人は漠然と4月を始めてしまいます。しかしある人はルーチンな日常の中にも2年次までと違った変化に気づくはずです。変化は内外に存在します。疾風に舞う桜吹雪は昨年と同じではありません。季節は巡っても人にとっては螺旋(らせん)階段を歩むがごとし、自ら歩むポジションは変化しています。
●汝自身を知れ
3年次は内なる心の変化に正直に耳を傾けることから始まります。「汝自身を知れ」とは人が生きていく上で的を射た至言です。自分がこれからどのように生きていくのか?自分にはどのような使命(mission)があるのだろう。自分自身を動かすspirit(魂)に正直に耳を傾ける。何も出来ない、何も知らない裸の自分が現れてくるかもしれません。今までの自信が木っ端みじんに吹き飛んで恐怖を抱くかもしれません。生きていく本質を自分は何も理解していないではないか!と気づくことはいいかえれば自らのmissionを探索するゼロ地点にしっかり立ったともいえます。
●答えはシンプル
では自分のspiritとどうやって向き合うのか。シンプルに対話(dialogue)することです。内なる自分だけでは話が堂々巡り(monologue)になってしまいます。いろいろな人間と話すことによって見えないspiritが目の前に映し出されます。担任の先生、課題研究の指導教官、進路指導部の先生、授業の教科担任の先生、気のおけない友人、部活動の同輩・後輩…。
Spiritが何を欲しているのかが分かれば今度はしっかりと育てていく。私たち22回生年次団は一人一人の生徒にたっぷりと滋養を供給したいと思っています。
●成果が問われる1年
過去に多くの高校生を送り出してきた経験から、最終年次で成果を上げる人間の特質を5点にまとめておきます。これは進路だけではなく次代のリーダーとしての特質でもあるようです。生徒も教師も同じです。
・知力(単なる学力だけではありません。チャンスを生かす時をつかむ勘なども含みます)
・説得力(怠惰なspiritを説き伏せ、壮大な使命に立ち向かう。苦労や努力をいとわない粘り強さ)
・肉体上の耐久力(寝込んでいては始まらない)
・自己制御力(目の前の欲望にとらわれない強さ、全体を見渡すバランス感覚)
・持続する意志(これが一番大切かもしれない。「俺はこれを実現したいのだ」「いくら歳月がかかっても」)
●失敗を恐れるな
白いキャンバスに未来を美しく自由に描けることが出来ます。これが若者の特権です。しかし忘れてはいけない。世の名画といわれる作品をよく見つめると、悪戦苦闘した魂の遍歴が絵筆の残滓に隠れています。たやすくspiritが飛翔すると思ってはいけない。しかし若者にこそ未来があるのだ。
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