友人の死

Nさんが亡くなった、と聞いた。
食事をのどに詰まらせたらしい。
Nさんは、同じグループホームだった、それだけではない、7年前からの知り合いだった。

Nさんの親友だったUさんは、今もあの病院の5病棟にいるのだろうか。
わたしたちが一緒に過ごしていたのは、精神病院だ。
Uさんに、Nさんの死が伝えられることはないだろう。

グループホームの管理者は、Nさんの死を告げ、お葬式に出た、と言った。
Uさんもわたしも、Nさんのお葬式に出ることさえ叶わない立場だ。
わたしたちは、精神障害者だ。
どれほど親しくしていても、患者仲間のお葬式に出ることさえ叶わない。

Uさんは、今後もNさんの死を知ることはないだろう。
それは、不幸なことなのか、それとも幸せなことなのか。
それを今、考えている。

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