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激動の1ヶ月だったイギリス

イギリスでは、7月4日に総選挙が実施され、14年続いた保守党政権が終わり、労働党の圧勝に終わりました。
労働党の勝利は、公共支出の拡大や規制強化の懸念から一部のセクターに影響を与える一方、他のセクターには新たな投資機会を提供しています。

選挙直後の市場反応


選挙結果を受けて、FTSE 100は上昇。
選挙前後の三日間で指数は約1.5%上昇し、投資家の間で安定感が広がり、特に、労働党の住宅政策やインフラ投資計画が期待され、住宅建設や関連セクターの株価が大きく上昇しました。

予想通りの8月の利下げ

8月には、イギリスの中央銀行が、2022年6月の利上げサイクルの開始以来、初めて金利を引き下げました。
この決定に、利下げの期待が高まっていたこともあり、市場はポジティブに反応し、FTSE 100は2.7%上昇、年初来で最高のパフォーマンスを見せました​

セクター別の動向

  • 不動産セクター: 金利引き下げの恩恵を最も受けたセクターの一つで、不動産関連株が大幅に上昇しました。デベロッパー会社の株価が特に好調です。

  • 製薬およびバイオテクノロジー: 金利低下による資金調達コストの減少が期待され、これらのセクターも上昇。

  • 貴金属および産業用金属鉱業: 金や銅の価格下落により、これらのセクターは相対的に低迷。​

新政府がAIセクターへの政府出資を変更

保守党政権は、イギリスでのAI開発を後押しするために、多額の政府出資を決めていましたが、労働党の新政権はそれを変更。
選挙期間中から労働党は、公共支出の再配分と社会福祉への投資を公約として掲げていました。
その一環として、AI技術の開発研究への政府出資が見直され、いくつかの主要プロジェクトが停止されることとなりました​。
これは、特にスタートアップ企業や研究開発に依存する中小企業に大きな打撃を与えると見られています。これまで政府の支援に依存していた多くのプロジェクトが中断され、研究者やエンジニアたちが影響を受けることになることが予想されます。

この政策変更により、いくつかの重要な社会問題が浮上しています:

  1. 雇用の不安定化:AI業界の成長が停滞することで、多くの専門職が影響を受ける可能性の上昇。特に、研究開発に従事する技術者やエンジニア職が不安定化する懸念。

  2. 技術革新の停滞:政府からの資金が削減されることで、イギリスのAI技術開発のペースが遅れる可能性と、これにより、グローバル市場での競争力が低下するリスク。

  3. 社会的課題への影響:AI技術は、医療、交通、エネルギーなど多岐にわたる分野での応用が期待されています。政府の出資停止により、これらの分野での技術革新やサービスの向上が遅れる可能性の上昇。

この決定が、多くの分野に広範な影響を及ぼす可能性があり、技術革新の停滞や雇用の不安定化といった課題に対し、今後どのように対応していくかが注目されます。
現時点では具体的な対策は明らかになっていません。

まとめと私の見解

というわけで、政権の交代と利下げの開始で、全てがバラ色とも行かず、日本、アメリカ市場の下落で、イギリス市場も少し引きづられた感がありました。

米国株と同様、イギリス株も今後も注意深く見て行くしかないようです。
まあ、投資って結局そんなものですものね。

約15年前のまだ労働党政権だった頃の話ですけど、当時の政府は、温暖化問題を重く受け止めて、理想は高く、建築法にかなり強めの規制をかけました。
建設業界が排出する二酸化炭素は、全体の10%を占めているし、
施工後、その建物の空調暖房の使用で二酸化炭素を排出し続けることを考えれば、早い段階できつめの規制を敷くことは、今にして思えば決して間違っていなかったと思います。

私はアクティビストでもないし、温暖化問題に真剣に取り組んでいるわけではないですが、ここが本当残念だった点だと思っていて、労働党政権が、また環境問題を公共事業として、取り組もうとしていることに期待しています。

私のポートフォリオには、Small Reactor Unit への期待で買ったロールスロイスと、風力発電のGreencoat、再生可能エネルギーへの積極な取り組みを見せるBPが入っています。
アメリカもハリス氏が追い上げているとのことで、クリーンエネルギー株が上昇しそうですね。

ちなみに、金利低下期待で、Barratt Developmentも1月ごろに買っておき、株価は無事に上昇中です。
手持ち株公開シリーズで、次回はBarrattについて語ろうかと思います。

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