フリーエンジニア市場崩壊

需給バランス

ここ数年で市場の需給バランスが崩れている。フリーエンジニアの数が過去5年で2倍になっており40万人に到達した。しかしエンジニア需要は2倍になっていないので市場が悪化している状況にある。つまり一人当たりの案件絶対数が半減傾向にある。これはエージェントの統計やエージェントの生の声で複数人から確認した。

税負担増

なおかつ、コロナ後に健康保険税が各都道府県軒並み急上昇中であり、追い討ちをかけるようにインボイスが導入された。売り上げに対して10%の消費税を課せられる。平均的なエンジニアで年間50万円ほど支払いが増えている目算だ。

フリーエンジニア増

それにもかかわらず、エンジニア紹介ブローカーは相変わらず夢のようなフリーエンジニア職業を語り新たに人を呼び込んでいる状況にある。彼らブローカーはエンジニアをスクールやサロンまたは別のブローカーに誘導してお金を儲けることが目的なので話半分に聞いておいた方が良いだろう。

かくいう私もフリーになりたての頃は想像と実態がかけ離れているのて唖然とした。少なくとも全然自由な仕事じゃないし派遣や出向と何ら変わらないもしくは稼げないかのどちらかという実態に気付いた。

巷ではどこもかしこも未経験からフリーエンジニアで成功した話が溢れているが、未経験をフリーランスで雇う会社って本当にあるのだろうか。これまた私の実体験であるが、エンジニアになりたての頃、エージェントに行ったら登録を拒否された。詳しい話は割愛するが、そのあたりはsesの会社がなぜあるのかという存在理由にもなっている気がする。

職歴社会

エンジニアの実力を測ることが難しいので職歴で判断せざるおえない事情がある。ガーファなど有名企業エンジニア出身などの経歴があればすぐに案件が決まると思う。

特に優秀な人材でも特定言語での経験年数が少ないと単価が上がらない。また、単価を上げるために勉強したとしても結局はスキルシートの経験値で判定される節があるので年収アップ努力は方向性を間違うと徒労感が強い。現状では年収アップを、狙う場合、スキルではなく商流を変えることが1番売り上げアップにつながる。

ブランク増

年収は月収✖️12であるが、フリーエンジニアは12ヶ月働けるわけではない。案件を移るたびに多少ブランクが入る可能性が高い。特に短期解約を連続するとブランクは大きくなる。長期契約すればブランクは空かないのだが、平均して年間働けるのは11カ月くらいではないだろうか。

最近このブランクが増加傾向なので注意したい。なぜならば上記でも伝えたようにエンジニアが2倍に増えているので一人当たりの案件は半分になっている。そのため案件を探す期間が長くなる傾向にある。仮に案件探し期間が1カ月増えれば年収は10%以上下がる。なんだかんだでこれは一番大きいリスクだ。

越境人材

海外人材は200万人を突破した。ある大手派遣会社では、海外のIT人材を日本企業に業務委託で紹介を行なっている。この界隈ではえげつない売り上げ競争が繰り広げられている模様。

人口減

悪い話ばかりではない。少子化と円安で労働人口が減っている。巷では少子化と円安やばいが定説となっているが、実は少子化と円安がフリーエンジニアに収益をもたらしている。この辺りのロジックに気付けている人はあまり見たことない。テレビのコメンテーターの意見を鵜呑みにしないようにしよう。

しかし円安は反転するかもしれないし、それに相俟って海外から高度人材がさらに押し寄せてくるかもしれないので要注意。

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