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映画【花様年華】を初めてこの歳でみた

ウォンカーワイの4kリバイバルで初めてみました。
この映画、この歳になってから観て良かったと思えました。
多分若い頃に観てたら、違う印象だったんじゃないかと思います。

まず「恋する惑星」から見てきた若者の群像劇とは違い、とにかく全てを丁寧に作られた作品だと感じました。
特に大人の男女の関係が繊細に描かれていて、とても良い!と言うのが正直な感想です。
90年代から続いた一連のウォンカーワイ作品の最終系なのでしょうか。

照明や影の使い方もきれいにまとまってて、2人の関係がきれいに色気があって見えます。
お話しや心情も映像の表現に落とし込まれているし、キーとなるセリフや言葉も生きています。

1960年代の香港の設定で、主人公の働く女性が終始きれいです。
当時の日本も働いたり外に出る時は女性はきれいな格好していますよね。
昔の白黒写真を見ると、みんなきちんとした格好でポーズを取って映っているような、あの時代の日本と似ているような気がしました。

不倫って言ってしまうと、やんややんや言う方もいますが、
結婚してようがパートナーがいようが、人は「個」であり心や感情も「個」なんですね。
人を好きになったり、恋をしてしまうのは普通な事です。
どんな関係性であれどうなるのか(どうするのか)は分かりませんし、暗黙の了解なこともあります。
この歳になったからこそ、このような関係性の映画が分かるようになったというなのかも知れないと思いました。

ウォンカーワイは、「恋する惑星」や「天使の涙」で活気ある香港の熱を表現したとすれば、これは昔の香港の古き良き素敵な部分を表現した、と言う事でしょうか。
「恋する惑星」や「天使の涙」は何度もも観てきましたが、もう90年代に置いてきちゃっていいかなw
現代だとウォンカーワイはどんな映画を撮るのか、新作が観てみたいですね。

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