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税金雑学シリーズ〜NISAかiDECOか!?〜iDECOは最大利回20%!?

 今日は既にネット上でも出尽くしているのではないかというレベルのベタなテーマを今更取り扱ってみたいと思います笑
 というのも、今年の1月からNISAの非課税限度額が大幅に増えたことによって、「なんだかよく分からないけどNISAは凄くお得だから絶対やるべきなんですよね?」というような質問を受ける機会が多くなっていて、少し「お得なNISA」というイメージが独り歩きしてしまっているように思えたからです。

 「NISAを機に資産運用を始めてみよう!」と考える方の多くは投資信託を検討しているかと思いますので、今回は投資信託を前提にNISAだけではなく、類似のiDECOの良さもお伝えできればと思います。

投資信託は元本割れする

 投資信託は株取引のプロが自分の代わりに自分の拠出したお金を株で運用してくれるわけですから、初めて資産運用をするには労力が少なく非常に始めやすいですね。
 しかし、あくまで投資は投資なので「元本割れリスク」はあります。ここ1〜2年は特に株式市場が好況なため、「投資信託をやっていれば資産が勝手に増えていく」という状況ではあります。
 しかし、私が新卒入社した17〜18年前の不動産会社の先輩で、仕事上の付き合いからM銀行から500万の投資信託を購入したところ、その後リーマンショックにあたり、その投資信託が半値以下になり、その後1〜2年待ってみたものの回復の見込みがないと判断して約300万の損失が生じてしまったという人がいました。
 投資信託は、「プロの判断で行うから安心」なんてことは決してありません。あくまで景気に左右される商品なので、そのあたりをまず十分に理解したうえで始めることをお勧めします。

 続いてNISAとiDSCOの差を簡単に見ていきたいと思います。

NISAは投資

 まず、NISAは純粋な投資です。それをただNISA口座という通常の投資用口座とは別の口座を作り、その中で投資信託の売買や運用を行っていくこととなります。
 通常の投資との差は、このNISA口座内で限度額内で購入した投資信託等に係る配当や売却益に対して課される約20%の税金が非課税となる点です(投資信託の銘柄数でいうと通常の口座より多少数が少ない証券会社もあるようです)。
 
 この限度額は一人当たり年間360万円で、内訳は積立投資を行う積立枠が120万円、スポットで売買を行う成長投資枠が240万円です。

 ちなみにこの”限度額”というのは”購入価額の限度額”という意味なので、例えば成長投資枠で100万円分の新興株式を購入し、その株式が大化けして1億円まで株価が跳ね上がった場合、非課税の考え方は「購入価額240万円の範囲内で購入した株式(100万円)に係る売却益に対する税金は非課税」となるため、(1億−100万)×20.315%=20,111,850円の税金が非課税となります!

 こう考えるとものすごくお得なものとも思えますが、こんなものに巡り会える機会は宝くじレベルでしょうから期待しない方がい良いですね笑

 そして、通常の投資であることから、当然売却や分配金を受領した時点で換金したければすぐに換金可能です。

iDECOは個人年金

 他方iDECOでも投資信託を運用することができますが、まず投資限度額が81.6万円〜14.4万円とNISAよりもかなり少ない点、売却や分配金を受領してもその時点で換金できず、原則65歳以上になってからでないと受け取ることができないという点が大きな差です。
 この差異は、同じ投資信託による資産運用であっても、あくまでiDECOは個人年金の積立だからです。
 しかし、この個人年金の積立であるという点で同じ投資信託でもNISAと全く異なる点が「所得控除を受けることができる」という点です。
 つまり、iDECOで投資信託を行うと、毎年その結果がどうであれ投資に回した金額に各人の所得税率を乗じた金額分の所得税が安くなるという効果があります。

 給与所得者のおひとり様を例に各限度額目一杯に支払った場合の所得税の減少効果の目安は以下の通りです。
 限度額/収入額  1000万 〜700万 600万〜450万
 14.4万        2.8万     1.4万     
 24万          4.8万     2.4万
 27.6万        5.5万     2.8万

 これを見てどう思いますか?「最大でも年間5.5万円しか得しないじゃないか・・」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、よく考えてみてください。これは、投資信託をしただけなのに毎年確実に所得税が減少するんですよ? 普通の口座で投資信託をして毎年一定額をキャッシュバックしてくれる証券会社なんかありませんよね笑

老後の資産形成ならまずiDECO

 以上のことから、「これから投資を始めてみよう!」という方のうち、「現在の年金制度に不安を感じるから老後の資産形成をメインに今から少しづつ投資をやってみよう」というような方であれば、間違いなくまずはiDECOから始めることをお勧めします。
 上限としても月1〜2万円と初めて投資を行うには程よい金額なのではないかと思いますし、なんといっても注目すべきは投資利回りです。

 利回りとは「リターン/投資額」ですが、一般に10%を超える利回りの商品は詐欺の可能性が高いなんて言われます。しかし、このiDECOについては投資信託の勝ち負けを除き、先ほど示した所得税の減少効果で考えてみると、最大で約20%の利回りを誇ります!

 20%の利回りの投資なんて聞いたら誰もが投資詐欺を疑いますが、これは純度100%の正規の投資利回りです。

 こう考えると、iDECOの凄さを少し実感できるのではないでしょうか。

もう少し積極的に投資がしたいならNISA

 利回りで考えるとiDECOはかなり優秀ですが投資限度額が最大でも月2万円ほどとなると、ちょっと物足りないですよね。
 そのように、もう少し積極的に投資にお金を費やしたいな〜と考えるのであれにば、NISAに手をだすことをお勧めします。
 また、「老後のため」ではなく、今ある余裕資金を中期的に運用して家や車を購入する際に再び換金するという考えであれば、iDECOを選んでしまうと原則65歳まで換金できないためNISAの方が良いです。

 ただし、NISAは先程も申した通り、純粋な投資なのでそもそもの購入した投資信託の価格が下落すれば損失が生じるだけなので、その点はご留意ください。

結論

 以上のことから、投資未経験者でこれから投資信託から始めてみようという方について私がお勧めするのは、まずiDECOで投資信託の値動き感を掴みながら投資に慣れつつ確実に利益を得たうえで、「もっと積極的に投資をしてみたい」と考えるようになったらより投資信託の選択肢も広がるNISAでの投資信託へ移行していくというのが良いのではないかと思います^ ^


最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^






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