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税金雑学シリーズ〜おひとり様のマンション購入〜

 今日は私と同じく”おひとり様”が中古マンションを購入する際の税金について検討すべき事項をご紹介したいと思います^ ^

 このマンション購入時の税金については不動産屋から購入前に軽く説明を受ける程度かと思いますが、どのような物件を購入するかによって結構税負担額が変わってきます。

 そして、特にこの差が生まれやすいのが”おひとり様”がマンションを購入する時なので今回はこの点を取り上げることにしました。

中古マンション購入時に気にすべき税金は3種類

 今回「おひとり様が中古マンションを購入する時に特に留意すべき」としている理由としては、不動産購入時の税制優遇の対象となる床面積が50㎡以上だからです。
 私も先日久々に中古マンションの購入を検討し色々探していたのですが、1LDKの物件で「6畳の部屋にベットと勉強机を置き、ウォークインクローゼットがあり、カウンターキッチンでリビングにはソファーを置いて・・・」と考えていくと意外に一人でも50㎡前後の物件が対象になってしまいます笑
 その際、これを上回るか下回るかで以下の税金に影響が出てきます。


※東京都内で3,000万円の中古マンションを購入した場合
   対象税目               軽減額  
①所得税(住宅ローン減税)      10年間で最大140万円(一般住宅)
②不動産取得税            取得時に最大36万円
③登録免許税             取得時に概ね10万円程


 50㎡以上か否かで合計190万円もの税負担に差が生じるとなると、結構バカにならない金額ですよね?ローンの返済額で言えば3,000万円を35年ローンで組んだ場合約2年分の支払相当額となります。
 そのため、もともと30㎡代のマンションを探している方なら検討は不要ですが、50㎡に近い物件をお探しの方であればこの点も意識しながら物件探しをされることをお勧めします。以下それぞれの税目についてもう少し詳細を見ていきます。

①所得税(住宅ローン減税)

 中古住宅のローン減税は、所得税額から住宅ローン残高の0.7%を控除するという制度で最長10年間適用されます。サラリーマンの方ならマンション購入後毎年最大14万円が還付金として年末調整の際に会社から振り込まれるわけですから、是非この恩恵は受けたいところです。物件選びにあたり注意すべき事項としては、以下のとおりです。
 イ 買取再販住宅は対象外 
   今年から中古でも不動産業者がリノベーションして販売しているような”買
  取再販住宅”については、
長期優良住宅等一定の要件を満たすものでない限り
  住宅ローン減税の対象外となっています。
 ロ 50㎡の要件
   マンションの床面積は壁芯面積(建物の壁の中心から測定した面積)と内法
  面積(建物の壁の内側から測定した面積)の2つがありますが、住宅ローン
  減税の対象となる床面積は後者の内法面積が50㎡か否かで判断します。とこ
  ろが、不動産の広告に掲載される面積の多くは壁心面積のため、「ギリギリ50
  ㎡超えてるから大丈夫だ」と安易に判断しないようお気をつけください。な
  お、目安としては概ね6%程の差があることから、壁心面積の目安としては53
  ㎡くらいといえます。

  なお、税額控除額は年末の借入残高に対して0.7%ですので、返済を進め
 2,000万円を切るとその分税額控除額は減少していきますので、どのように返済
 していくかも重要な要素です。

②不動産取得税

  不動産取得税は不動産購入時に固定資産税評価額の3%が課せられますが、床
 面積が50㎡以上だと築年数に応じて次の金額を固定資産税評価額から控除した金
 額に3%を乗じることができます。


   H9.4以降新築     1,200万円
    H1.4〜H9.3新築    1,000万円
  S60.7〜H1.3新築    450万円
  S56.7〜S60.6新築    420万円


 ご覧いただいたとおり、今年でいえば築27年程の物件なら最大1,200万円に対して不動産取得税がかからない計算となるので、床面積が50㎡を超えるとこの金額✖️3%の36万円が軽減されます。
 ちなみに、この不動産取得税における床面積50㎡については、①でいう床面積にマンション共用部分の床面積相当分を加算した床面積(課税床面積)で判断するため、登記簿上の床面積が50㎡を下回っていても適用できる可能性があります。

 私が先日最後まで検討していたマンションはまさに内法面積49㎡で住宅ローン控除が受けられないけれども課税床面積は50㎡以上になるため不動産取得税の特例は受けられるというものだったのでなんとも惜しい物件でした笑

③登録免許税

 登録免許税は不動産の名義書き換えの際にかかる税金で、通常固定資産税評価額に対して1.5%の税額がかかるところ、床面積が50㎡以上の住宅であれば税率が0.3%に軽減されます。
 今回の例として挙げている3,000万円の中古マンションが仮に築15年だとした場合、概ね固定資産税評価額は900万円と試算できるため、この税率軽減の効果としては約10万円といったところです。
 住宅ローン減税、不動産取得税の特例に比べると大分地味ですが普段の生活で10万円といったら大きな金額ですからバカになりませんね。


 今回はおひとり様が中古マンションを購入する際の留意事項としましたが、夫婦二人の家庭でも50㎡前後の物件を検討される方は多くいるのではないかと思いますので、是非ご参考にしていただければと思います。
 
 なお、今回床面積50㎡という要件つながりで50㎡を中心に話を進めてきましたが、これを満たしていれば絶対に大丈夫というわけではないのでその点はくれぐれもご注意ください。例えば①の住宅ローン減税であれば所得要件(合計所得金額2,000万円超の方は対象外)であったり居住用要件(1/2以上が自己の居住用でなければならない)等様々な要件はあります(ただし、一般的なサラリーマンが純粋に居住用で買う場合にはほぼそれらの要件は満たされるイメージをもっていただいて問題はありません)。

 ちなみに、物件選びの際にはこれら税金の要素もよく考えましょうと申したわけですが、不動産売買仲介営業をやっていた頃の感覚から言うと「税負担にまでこだわりを持ち始めたらいつまでも物件は見つからないぞ!」と言いたくなってしまいます笑
 最後の最後でひっくり返してしまうようなことを申してしまいましたが、最良の物件に出会うことはなかなか難しいため、お気に入りの物件と出会ったら税金の話は優先順位を落として話を進めていかれた方が無難ですね笑


 最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^

 




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