見出し画像

税金雑学シリーズ〜所得税〜別居の子供は扶養控除の対象??

 税理士の仕事として確定申告時期が近づいていることと同時に、もちろん私自身の確定申告も近づいてきております。

 そんな中ふと、「親権を持つ妻と暮らす私の子供は扶養控除の対象になるのだろうか?」という疑問がわきました。

扶養控除の要件

扶養控除とは、一定の扶養者を有する者の所得金額から38万円〜63万円を控除できる制度ですが、その要件は12月末の現況で以下の4つを満たしていることです。
①配偶者以外の親族であること
②納税者と生計を一にしていること
③合計所得金額が48万以下(給与収入のみなら収入が103万以下)
④青色事業専従者、白色の事業専従者でないこと

生計を一にするとは??

上記要件のうち②以外は明確ですが、②の「生計を一にしている」という要件は「一緒に生活している」というようなニュアンスで掴むことはできるかと思いますが、もう少し広い意味をもっています。
 具体的には、国税庁のHP(通達の内容)で以下のとおり説明されています

生計を一にするとは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

つまり、同居していれば原則生計を一にすると扱われ、仕事や学校、病気等のため別居していても常に生活費等の送金が行われているような場合には同じく生計を一にするものと扱われることとなります。

ここまでは、仕事柄私も当然の大前提として知っている話なのですが、私のように離婚した親と別居している子の関係は”永久の別居”であるところ、上記の例示で前提としているのは仕事等で”一時的な別居”をした場合のようにみえるため、同様に考えて良いのだろうか・・・・・・という疑問が生じたのです笑笑

離婚した別居の子供も扶養控除の対象になる!

少し調べてみたところ、国税庁の質疑応答事例において、
「離婚に伴う養育費の支払が、扶養義務の履行として、「成人に達するまで」など一定の年齢に限って行われるものである場合には、その支払われている期間については、原則として「生計を一にしている」ものとして扶養控除の対象として差し支えありません」
 と答えが出ていました。つまりは一般的な養育費の取り決めに基づいて養育費を支払っている間は別居の子供も扶養控除の対象になるということです!

 ただし、一点留意しなければならない点は、同居していても別居していても夫婦共働きの家計で子供を扶養控除の対象とできるのは、父と母のどちらかになってしまいます。
 同居しているならどちらの所得で控除を受けた方が得するかを相談して控除対象を決めることができますが、離婚している父母の間でこの話し合いは現実問題無理ですよね笑笑 どう考えても子供と同居している方が扶養控除を適用しようとします笑

 結果、実用的でない結末となってしまいましたが、税法は日常生活のあらゆる事象と結びついているので、こんなことを当てはめて考えることも面白みの一つなんです笑

最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?