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80の爺さん言いたい放題、H3ロケットには魔物が住んでいる

 国産ロケットの発射を日本の国力の前進と考える人も少なくないと思われますが、いっとき流行った「費用対効果」から見るとどの程度の効果があるものなのでしょう?開発費だけでも1900億円、ロケット発射の費用は1回で100億円。商業ベースに乗ったら事業は三菱重工業・・。

 まあ、それは脇へ置いて、中京テレビの映像のことに触れたいと思います。
「魔物」・・これがテーマでした。2021年1月9日に放映された画面から見ると、JAXA-H3ロケットプロジェクトの岡田匡史マネージャーは「・・(H3の)エンジン開発は魔物が潜んでいる・・」と言っています。

この映像は2021年だと言うことが驚きです

 「甲子園には魔物が潜んでいる」と言うのは聞いたことがあります。
何でもないゴロをトンネルした、凡フライを落球した、走塁ミスした、サインを見のがした・・などなど、普通の練習の時には考えられないようなことが起きるのが高校野球の甲子園大会なのは知られています。
 そこで、魔物が潜んでいる、となるわけですが、このコトバは実に良くできています。高校生のミスを個人のミスにせず、魔物のせいにしてクリアーにしてしまうからです。極度の緊張した甲子園の試合では予期せぬことが起きるのは避けられないからでしょう。緊張のあまり注意力が途切れることがあるからでしょう。よく考えられたコトバだと思います。

 ロケットの打ち上げ責任者が「魔物」を持ち出しているのは、どんなわけがあってのことでしょうか。優秀な頭脳の持ち主でしょうから、何かわけがあることと思うのです。緊張感や不注意、ちょっとした油断・・・この番組でもロケット開発事業に携わっていた先輩が出演して述べています。

ロケット開発に当たった先輩の杞憂です

 三菱重工業は国産ジェット機の開発に膨大な国家予算を使い、今年撤退を決めました。しかし、誰も責任はとっていません。費やした国税は帰ってくるのでしょうか。使いっぱなしですか?
 ジェット機開発にもロケット開発にも、もう十分国のお金を使いまいた。この辺でロケットからも撤退したらどうでしょう。もっと足元をしっかり固め、国力(国民の生活力、国全体の生産力)を充実させ、ロケット開発の国際競争に向かわず、国民の生活力が世界一になる方向へ向かったらどうでしょう。
 優秀な人材が国外に流れていると言われて久しいです。日本人のノーベル賞受賞はこれから激減するだろうと大方の科学者が警鐘を鳴らしています。息の長い科学の基礎分野に資金を投ずる余裕が今の日本にはないのでしょうね。日本人のノーベル賞受賞者がアメリカ国籍だったり、アメリカに長く移住して研究を続けていた人だったりと言うことが最近目立っているのも、日本では研究が続けられない事情に関係しているのかもしれません。

 ロケットビジネスに大金を注ぎ込むより、大学の研究費を増やしたり、奨学金を返済不要にしたり、外国人の研究者を受け入れたり、そういう分野にロケットのお金を回したらどうでしょう。ロケットのエンジンには「魔物」が潜んでいる、と責任者が言っている限り、問題の解決はますます難しくなって、否が応でも「撤退」しなければならなくなる可能性もあります。この際昔よく使われていた「転進」と言う言葉に置き換えてみてはどうでしょうか?


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