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80の壁をどう乗り越えるか、年金5万円で豊かな暮らしをしています・・・?

 一昨日の論文(年金を100万円増額して日本経済を再生する)と趣旨の違うニュースが昨日、連続してネットに載りました。二つのニュースはユー・チューバーのインフルエンサーの記事で、一人は年金5万円が唯一の収入源になっているそうですが節約をせず、豊かな暮らしをしている、という記事。もう一つは年金10万円で毎月楽しい生活をしているという高齢の単身女性の記事でした。
「だからあなたもできるはずですよ」「年金をたくさん欲しがらないでくださいね」「生活の工夫でなんとでもなりますよ」と私には聞こえました。二人とも著書を出版していて、(まさか出版社の広告記事ではないと思いますが)広くアピールしています。

 著者の意図はそうではないと思いたいですが、それなら全国民(年金生活者)の年金を5万円とか10万円にしてみてはいかがでしょう?工夫の仕方によって、みなさん豊かな暮らしが実現できるからと、喜んで賛成するでしょうか?少なくとも私は賛成しかねます。
 私の目標は自分が働いて積み立てた「年金」を取り戻して死にたいということですから、むやみに多額の年金を要求しているわけでは有りません。毎月5万円で楽しく暮らせる人はそれで暮らせばいいと思いますし、10万円で豊かに暮らせているなら、10万円の暮らしをすれば良いでしょう。それを非難する人はいないと思います。しかし、ことさらに書籍にして出版し、同調者や賛同者を求めるのはいかがなものかと思います。事実を発表しているだけで同調者を欲しいのではないと思っての出版だろうとは思いますが、ちょっと違和感があります。
 問題は金額の固定・斬減(普通の生活ができないこと)が個々の老人(高齢者)が自由な意思によって決められないことです。5万円の暮らしや10万円の暮らしが半ば強いられていることです。

 国家予算の財源問題は(財源・財源と言い立てる「有識者」が多く)、とかく騒がしいのですが、世の中には年金など(微々たるお金だとして)いらない人もいるでしょう。今はそういう世の中の仕組みになっています。年金など不要という暮らしをしている人たちが国政を牛耳っているのですから、年金増額など全く関心がなく、(むしろどうやって減らすかに熱心になっていて)増額など考えもしないのが当然のことかもしれないですね。
 100億円の資産を持っている人から「福祉税(仮)」を1億円徴収しても全資産の1%ですが、1000万円の資産の人が500万円(富裕層の1億円の5%)徴収されたら資産の半分を失います。消費税のように富裕者も同率で、赤ちゃん、年寄り、無収入の人からも同率徴収する制度は再考の余地ありだと思います。少なくともヨーロッパ並みに食料品には消費税をかけないで欲しいところです。
 税金の公平性、負担割合、収入源の根拠、社会的な必要資金(国家財政)、個人の自由と人権の保証・・税制は極めて人間的な行為であり社会システムです。ホモサピエンスに始まる人類史の中では「奴隷」「農奴」が働いて国家財政を支え、「貴族」はそれを使って生きていた時代が長かったのです。

 富裕者は際限なく貪るのではなく、これからは富裕者が社会を支え、社会に貢献する時代になっていく必要性を感じます。私の知る限りの狭い範囲ですが、富裕者は税金の節約に余念がありません。公認会計士や税理仕を雇って資産管理をしている人もいますし、金融機関が節税の指南をしているケースもあります。
 富裕層はこれからすすんで納税して欲しいですね。
 福祉団体への寄付などにも積極的に応じて欲しいです。人類史の中で社会を支える側に回るチャンスが到来しています。勇気を持って時代の転換を担ってもらいたいと思います。
 お金の心配がいらないというのは「幸せな老後の、最初の第一歩」です。

〈表紙の写真はスペイン・マドリードのレストランのオヤジです〉
〈下の写真はプラド美術館への案内標識です〉

朝の9時ごろです
プラド美術館の開館を待っている生徒たちと引率の先生です

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