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80の壁をどう乗り切るか、80歳記念の旅

 旅行好きな人は多いと思います。旅とグルメ・・強い刺激と発見、達成感と緊張・・旅は人生そのものという人は多いですね。「月日は百代の過客にして行きかう年もまた旅人なり」で始まる「奥の細道」の冒頭のセリフは有名ですが、芭蕉も旅を人生と重ね合わせていたのでしょう。始まりがあって、少しの危険や不安があり、喜びや出会いがあり、やがて終わる。
 旅には一生を短縮したプロセスがあり、スタートした旅が終わることをもって「臨死体験」をすることができる。旅にとり憑かれた人も少なくありません。私はこれを「臨死体験願望」と呼んでいます。必ずいつかはやってくる死への本能的な渇望です。

 さて、朝から、お粥と「豚足・煮〆」(タイではカー・ムーと呼んでいます)を食べるのは日本の朝飯では経験しないので、旅のグルメのうちでしょうか。

豚足煮込み
朝粥・海鮮、トッピングに唐辛子

小洒落た「クイッティオ屋」もお昼時で満席に近かったですね。

右手のツボには唐辛子などのトッピング

2月に採れたてのスイカを食べられるのも東南アジアならではのグルメです。2月はスイカの季節なんだそうです。4月に入ると果物はどっと出てきます。

甘さも十分なスイカ

 寒からず、さりとて暑からず。実に凌ぎやすい気候のタイです。2月を挟んで1月後半と3月前半がタイを旅するには最適な季節だと思います。
 ホテルで鏡をしみじみとのぞいたら、髪が半分白くなった老人がこちらを見ていました。
〈ずいぶん白くなったなあ〉
思わず言葉が出そうになりました。といっても、髪を染めたくはありません。ナチュラル(なるようになる)が一番です。目の下のたるみも額のしわも、手に浮く血管も全部自分ですからね。この事実を気持ちよく受け入れることで80の壁を軽々と突破したいと思うのです。

 病んで3日ほど寝込んだ経験は若いとき(28歳)で一度ありましたが、それ以来病気らしい病気はしていないし、入院の経験もありません。が、いずれ近いうちに経験することになるでしょう。もう、時間の問題です。ただ、あと3年は元気で外歩きをしたいと思っています。せっかく第一関門の80の壁を越したのですから、これからを、特にこれからの3年を大いに大事にして、気持ち的には今までの80年分と同じほどに堪能したいものです。
 80を越した生き方の一つとして、あるいは選択肢の一つとして「元気に外歩き」が残されていることを感謝しなければいけないでしょうね。
 そこで、自分自身を決断させ、鼓舞するために今年後半の最大イベントを公表しておきたいと思います。

 9月半ばから約60日間、主として西ヨーロッパを一人で歩いてみるというプランです。ハンガリーは中欧ですが、一度仕事で尋ねた(5日間)ことがあって、ブタペストやバラトン湖など今でも印象深く残っているのでこの度の途中で再訪してみたいと思っています。鉄道、バス、飛行機などを織り交ぜて移動し、気に入った街には少し長く滞在するなどができれば最高だな、と考えています。耳が遠いのが一つ難ありですが、これも致し方ないですね。

 宿泊費と食事代で1日1万円、都合60万円。日本・欧州の航空券が30〜40万円、ヨーロッパでの移動費が20万円。合わせて110〜120万円とざっくり計算しています。預金は病気の時の費用を残して使い果たし、帰ってきたら引きこもりする予定です。もちろん、足腰が立つなら、毎朝の散歩(無料)と、時々のカフェ通い(ブレンドコーヒー・350円)はしたいものです。それで店じまいでも良いかな、というところですね。

〈表紙の写真はアルハンブラ宮殿です〉


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