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andymori『andymori』

andymori『andymori』

 ベスト盤と言われれば信じてしまうレベルの完成度。初めて聴いた時から今に至るまで僕の心を掴んで離さない。若さゆえのじれったさとその美しさの衝動を音に変換させた最高峰の作品。バンドサウンドを前面に出したロック音とどこか懐かしさを感じるリリックが相まって彼らにしか奏でることの出来ない音楽が出来上がった。

 学生時代にバックパッカーとして世界を放浪した経験があり、このバンドでギターボーカルをとる小山田壮平のテクニックを感じさせない親戚のお兄ちゃんみたいな身近な歌声は、かえって世界の広さ美しさや醜さを綴った歌詞やバンドサウンドを引き立たせる素晴らしい要素となっている。

 ほぼ全曲を通してボーカル・ギター・ベース・ドラムという4つの音しか鳴らさないシンプルな音構成であり、大仰な編曲も行っていないが、その潔さが僕たちの心に届くまでの距離を縮めてくれている気がする。また、1曲1曲の時間が短く"すごい速さ"で駆け抜ける疾走感からは美しさ・若さに限りがあることを感じることができる。お世辞抜きに歴史に残る大名盤だと言える。

 個人的にLife Is Partyの最後でノイズがめちゃくちゃ大きくなったあと、アルバムのラストを飾るすごい速さに入る瞬間が大好き。無人島に持っていくならこの1枚。

必聴ソング
・everything is my guitar
・モンゴロイドブルース
・ベンガルトラとウィスキー
・誰にも見つけられない星になれたら
・Life Is Party
・すごい速さ

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