8/4 『新聞記者』を観た

面白かった。
小説でない新書が原作で、概要を聞く限りなかなか観るのが難しい、内容的にというより観るときの態度や姿勢が難しそうな作品だなと思ったが、ひとまずただのフィクション、映画作品として観ることとした。
主演の女性が開口一番なんだか発音が変で、ちょっと違和感を覚えていたらどうやら帰国子女という設定のようだからあえてカタコトっぽくしてるのかな、だとしたらカタコト上手いな、と思ってたら、エンドロールで韓国人女優さんだと知った。いやだとしたら日本語上手いな。日本語だけでなく、父親の亡骸見て嗚咽するシーンとか、脅されそうになって「は?」てキレそうになるとことかも上手かった。あと、挨拶やお礼の言葉をしっかり言うところに好感が持てた。
どの登場人物にもだいたい家族がおり、家族をモチベーションとしてそれぞれいろんな行動を起こしているのが特徴的だった。真実を毀損されると、何なら当人よりも大きく影響を受けるのが家族であると言わんばかりだ。悪の組織として描かれていた内閣情報調査室、そしてそこのボスには家族の描写は無かったが、ある意味においては組織および国家をひとつの家族としてとらえ、その存続と安定のために汚れ仕事を請け負っている、と観ることも可能は可能。そんな中でひとり、松坂桃李だけは己の家族と組織の間で揺れ動くポジションだったか。
その意味で物語はここからが正念場、というところで終わるのだけども、そこから先は小説原作でないゆえか、我々に委ねられていた。でもどうせなら物語として最後まで観てみたくもあった。記者の物語でも、官僚の物語でも、閉じたからといって委ねられないわけではないのだし。

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