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8/14 『PSYCHO-PASS サイコパス/0 名前のない怪物』を読んだ

面白かった。

そろそろ4期が発表される頃合じゃねーかなと勝手に直感して、それまでには復習しておきたいと思ってノベライズに手を着けだした。これから毎月1冊ずつ読んでいけば読み終わる頃には発表されてるんじゃないかな……今のところ全然そんな気配はないが。せめて一報出てから読み出すくらいでちょうど良かったのでは? まあもう始めちゃったので仕方ないけど。
そうしてまずは手始めに読んだ1期の前日譚。狡噛が執行官となる前の出来事。
狡噛と佐々山のコンビはアニメでも多少描かれていたけど、そのときの印象とはやや印象が異なった。監視官と執行官という立場の垣根を飛び越えて息の合った連携が取れる、タカとユージのようなナイスコンビってイメージだったけど(あぶない刑事ほぼ知らんけど)、それなりに垣根や軋轢が残っていた。佐々山が征陸のとっつぁんに次ぐ一係の古株だったのも意外。先輩あるいは兄貴分といった関係で、とっつぁんとギノの関係をもう少しマイルドにした感じというか。だが、最期の別れの際には狡噛に銃を向けられながらも、狡噛は引き金を引けずにその後ろ姿を見送ってしまう……など、まるで狡噛と茜の別れ際さながらでもある。狡噛お前、自分が引き金を引けずに相手を見送るしかないって経験をしておきながら、同じ思いを茜ちゃんに味わわせて、どういう気分だったんだよお前……と問い詰めたくなる。次に読む1期のノベライズで確かめてやるとしよう。
藤間のキャラクターも、シビュラに取り込まれた後とは結構違っていて意表を突かれた。「王子様」である自分と「お姫様」の二人だけの世界を夢見ていたのに、シビュラに取り込まれた後の彼は、社会を支配し君臨する「王様」の態度であった。しかも自分だけでも二人きりでもない、シビュラという総体の一つとして選ばれし者、「選民」の傲慢さも兼ね備えてて、まるで別人と言っても過言ではない。そりゃ聖護くんも再会したときガッカリするよなあ……すっかり社会の一部となって、そのことに喜んですらいるのだから。
ラスト、狡噛の胸の奥に棲みついた「名前のない怪物」の存在をほのめかして、サブタイトルの回収とするのは胸が躍った。アニメ1期に較べるとだいぶ未熟な部分がある狡噛だったが、ここを起点として身体も心も研ぎ澄ませていくんだな。『刑事』として、はたまた『猟犬』として。

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