4/6 『囚われた国家』を観た

面白かった。
最初に興味を引かれたビジュアルの、海岸にロボットが屹立してるシーン……はほとんど出てこなかった。2回くらいか。まあなんとなくそんな気はしてた。それでも面白かったので良しとする。それに「支配された地球/レジスタンス/機動兵器」の作品はもう他にもあるもんね。スパロボ64とか。
先日観た『PSYCHO-PASS 3』における、監視システムの隙間を縫ってテロ行為に勤しむテロリスト達……言うなれば彼らを主役に据えた作品のように観た。サインと暗号を重ねに重ねて計画を遂行する様や、支配する側が圧倒的であるところとか。欲を言うなら、エイリアンにはもっと絶対的であって欲しかった気もする。爆弾ならともかく、人類とサシでやりあってちょっとやそっとのドタバタで不意を衝かれて殺されるんじゃあ、わりと希望持てちゃうんじゃないか。パワードスーツなんか着なくても指先ひとつで殺れてほしかった気持ちはあるかな。それでこそ抵抗の火が尊く燃え上がるのではないか。
エイリアンの精神性にはほとんど触れずに、支配される人間と支配する人間のドラマだけを描くのは、迂闊にテロリズム賛美にも繋げられたりしそうでなかなかスリリングだが、そうすることで「支配されながら支配する者の悲哀」といったものを描こうとしていたのかもしれない。ディストピアの自分流の定義は「理想的に苦悩できる世界」というものだが、それで言うとこの作品においては、レジスタンスよりも彼らこそがその主語にふさわしいと思う。

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