11/16 『扇物語』を読んだ

面白かった。
作中にドラえもんのひみつ道具の話が出てきたが、まさに今回のエピソードは怪異というよりドラえもんのひみつ道具によって巻き起こされた騒動っぽさがある。怪異の名前もそんな感じだ。
章構成のトリックに簡単に騙されてしまったのが悔しい。すぐにピンと来てもよさそうなものなのに……いや気づかないか。犯人との丁々発止の一騎打ちシーンかと思いきや、その実戦場ヶ原一世一代の大誤魔化し、乾坤一擲の復縁交渉だったなんて。原点回帰というなら、この戦場ヶ原の意地の硬さこそ原点回帰であると言えた。でもそれにかこつけて母親のことだったり、『あの男』についての言及を聞けたのはなかなかレアだったんじゃないかな、阿良々木くん的にも。
あと、これ気づくのは今更かもしれないが、洗人とやらは別に阿良々木くんと敵対するわけではないのだな。というより、阿良々木くんがもう主人公ではないのかもしれない。
扇ちゃん、もとい扇くんも独り立ちし、気づけばモンスターシーズンも次巻(上下巻)でピリオドとは。だんだん怪異たちが阿良々木くんの元を離れ、阿良々木くんじたいも町を離れているし、となると次巻ではとうとう、忍とのお別れなのだろうか。いや『結物語』で普通にいたよな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?