11/17 『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』を観た

面白かった。
患者とその家族が同意していれば勝手に安楽死させちゃうのは罪か否か、みたいな話ではあるが、結局犯人のイカれた欲望があらわになったり、主人公の娘を強制的に死なそうとしてるので議論にはならない。怪しげなハーブまで使って11歳の少女に心理誘導しても尚「やっぱり死にたくない」と言われればそれまでの話で。また、既に安楽死処置してもらった遺族も、「本当にこれで良かったのか」と繰り返し揺さぶりをかけられることでかつてそれで良いと思った判断を疑いだしてしまう。それは生きている限りそうで、揺さぶりなどなくてもどこかで必ず揺れてしまうのではないだろうか。その点で、自ら死にたいと願う患者と、死なせてあげたいと願う家族の意思は、同意であっても同じではない。生きたいという願いは共にできても、死にたいという願いは共にはできないのだろう。死は個人のものだから。
ただ、事件発覚に至った冒頭の家族……息子さんはともかく母親の方、彼女は最後に出てきたときは、もう明らかに冒頭のときより元気そうで、「肩の荷が下りた」風に見えなくもない……そうとは明言しないけどそんな疑いを抱かせるあたり、邪悪だなと思った。
綾野剛と北川景子の熱演はじっさい良かったけれども、あんまり名コンビ感といったものはなく、むしろ彼らを含んだ捜査班のチームプレイや地道な聞き込み活動などが結構面白かった。最初にいきなりOPが流れたりしてるし、このままドラマやってくれてもなかなか良いのではないだろうか。
綾野剛の家族の思い出の場所をどうして北川景子がわかったのか、あんなすぐ間に合うくらいならおめおめと一人で行かず最初から後を追わせたらいいのに、みたいなことも思ったが、それはまあいいや。
ところで、タイトル『ドクター・デスの遺産』の遺産とは何なのだろう。今回の犯人が、実在のドクター・デスに影響受けて模倣犯に走った「遺産」ということかしら。『BLACK FILE』に関しては何もわからないな。

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