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7/9 『掟上今日子の忍法帖』を読んだ

掟上今日子、ニューヨークに立つ。しかしどうした理由で降り立ったんだったか記憶が曖昧だったが、前巻のホワイト・ホースによる襲撃を受けてのことだったか。事務所が爆破されたってのもなんとなく覚えがある……それらがすべてヤクスケ・カクシダテのせいってことになっているのは覚えがないが、納得感だけはある。いやていうか今日子さんの世界的重要性が巻を追うごとにどんどん上がってはいるが、それを上回る勢いで厄介くんの世界的脅威性が跳ね上がっていってるな? 「『忘却探偵』シリーズは西尾維新作品イチとっつきやすい作品」という認識はもうとっくに錆びれた認識だったか?
どうやら『忘却探偵』シリーズは全24巻らしいとの噂だが、折り返し地点を過ぎた今後は単話完結エピソードで進めつつ、合間合間に「ホワイト」一味の暗躍を挟んでいく形で進むのだろうか。ちゃんと伏線を覚えていられるか心配だな。主人公が覚えてないんだから大丈夫かな。
また今回、ホワイト・バーチ氏の風貌や人物像が明かされたが――もしかしたら前巻でも既に描写されていたかもだが――これまた、『物語』シリーズとの関連を匂わせるようなところが散見される。金髪金眼の小男で「かかっ」という笑い声、妻とヨウジョがいる……さらにそもそも「ホワイト・バーチ」を直訳すれば白樺で、白樺といえば明治の文芸派閥で「アララギ」とは対をなす存在……だ、そう。ここまで匂わせが過ぎると逆にもう別人オチしかないだろって気になってくるけども。百歩譲ってスターシステム的な、キャラデザや声優は一緒だけどあくまで別人別キャラ扱いとかであると、思いたい。なんて言ったところで、逆にどうして俺はこうも『忘却探偵』シリーズと『物語』シリーズを繋げたがらないんだろうとちょっと自分で不思議にも思う。まあ別に、いいっちゃいいんだけど、なんかな、と思うんだよな。違ってる方が面白いというか。それでこそコラボのしがいもあるというか。
各話のトリックについて。手裏剣、不忘術はなるほどという感じだったけど、兵糧丸はちょっとよく理解しきれなかった。結局薬自体に効果はなかったけど効果はないのに効果が出ることが効果になる……? なんだか煙に撒かれたよう。兵糧丸じゃなくて煙玉だったのだろうか。

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