3/8 『PSYCHO-PASS サイコパス 上』を読んだ
月1冊ずつ読んでいくつもりが半年近く空いてしまっていた。しかし未だ4期の情報は出てきておらず、順当に読んでたらもう終わってたかもしれないので、こんなペースでちょうどいいかもしれない。
アニメの方は累計で2.5周くらいはしているから、お話としては見慣れたものではある。ただそのせいで、読みながら脳内でアニメを同時再生していると、映像でたっぷりとフリや見得を利かせて表現されたシーンが、文章ではあっさりと描写されてたりすると、肩透かしを食らったような気になってしまう弊害はあった。映像と文章で力を注ぐべき部分が違っている、ということだろう。逆に、朱がはじめて執行官の面々を目にしたときの「生きることにだいぶ疲れているが、それでもやるべきことが残っている」表情、という表現は実に言い得て妙だった。
あと文章表現でいうと、文末の終わり方が「~した。」よりも「~する。」という現在形で終わることが多く、読んでてちょっと不思議な感触になる。他にも登場人物の名前を出すときにしっかりフルネームで出すとか、なんか講談感というか、或いは、シナリオブックを読んでいるような気分になる。そこまでちゃんと覚えちゃいないけど、台詞もアニメのそれを可能な限りそのまま書き起こしてるような気がする。何かしらの意図があるのかもしれないが、ちょっと掴み切れなかった。
あらすじで「槙島聖護の内面が垣間見える追加シーンも加筆」とあるんだけどそれが本当に垣間! もっと見せてよ~と思うも、そういうところが槙島の槙島たるゆえんかもしれない。どこまで深堀りしても垣間見えただけとしか思えない、クリアでダークな胸の裡。そもそもそうやって人間の内面を可視化すること自体に疑問を突き付けることこそが彼の、己の魂に架した使命であったのではないだろうか。下巻もぜひ垣間見たい。
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