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3/1 『へんなの』を読んだ

巻末に漫☆画太郎先生の友情出演マンガが掲載されているのが、もはや答え合わせに等しい。子どもの頃に読んだマンガに魅了され、子どもの頃に読んだマンガに出てくるような芸人になれているというのは果たしていかなる運命のなせる業か。長らく地下にいたのが良かったのかな。半端に地上に出ていたらいろいろと歪んでしまっていたかもしれない。よくぞこうまで素敵なかたちを残したまま育ててくれた、ありがとう地下芸人界。漫☆画太郎より生まれ、地下芸人界によって育ったのがランジャタイであり、国ちゃんなのだということがよくわかる。
エモいエピソードは普通にエモくて良い。だけでなく、文章のテンポというのか、ページの使い方なども良い。Webで連載されていた記事を読んだときは、バカみたいなスペースや改行の使い方をしてて、遊んでんなあと思ったものだけど、本というかたちになったら、それがすごくいい感じになっているので驚いた。エッセイ集どころか、詩集か?ってぐらいのページ内文章密度なページもあったが、それもまた良し。じっさいほんとに短歌や詩のように思えなくもないときもあった。ポテンシャルだ。
しかしそういうとこだけでなく、中盤あたりから明らかにネタが無くなってきてるときの文章もまた、ある種の本質だった。エモい話ばかりじゃ照れ臭いからナンセンス系テキストも入れとこうとかじゃなく、漫☆画太郎も、あじわいライブも、Qちゃんも、爆竹かんちゃんも、ラッキーも、同じ箱の中に入っていて、同じく面白いものとして出したうえで、スベるものはスベっていたんだろう。すごいことだ。いやほんとに。

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