12/13 『ぼくらの7日間戦争』を観た

面白かった。
ぶっちゃけほとんど中身には期待してなかったというか、原作の読み返しで現在進行形で楽しんでいるので今更アニメ映画がどうなっていようと別にこっちで勝手に楽しんでみせますとも、みたいな横柄な態度で臨んでいたんだけど、結果大変に楽しまされた。前日に観た実写映画版同様に。好きなものが映像化などされて、それが満足のいくものだとまた格別に嬉しいな。
舞台は廃工場の内外に限られて、子供たちは特別優れた技能があるでもなく(主人公はちょっと凄いが)、大人たちも普通に働いてる人たちがあくまで常識の範囲内で動くし、まあ地味ではあるのだが、しかし用意された状況をフルに使いこなして進行していくのであっという間に7日間が過ぎていく。アクションの度合いもやり過ぎずやらな過ぎずちょっと危険で死の可能性も無くないぞ、って感じが絶妙だったと思う。戦車こそ出なかったけど、これが俺達の戦車だ!!!と言わんばかりに重機の作画はキメッキメだったし。
ネットに個人情報が晒されて子どもたちの弱い部分が次々と露わになっていくところは作中でも一番テンポが良くて、それだけに緊迫感もあり、なかなか凄まじいシーンだった。
みんなが傷ついてく中ひとりだけ何も晒されるものがない主人公というのもなかなかだが、そんな彼の山場となる告白シーン、だが結局フラれてしまうしともするとめちゃめちゃカッコ悪いんだけど、続いてみんなもどんどんカッコ悪くなり、そうしてみんなでカッコ悪くなることでみんなの間に素敵ないいものが生まれていくのは、鉄板だけに好かった。ヒロインの秘めた思いも、完全に意表を突かれたし、そう思って冒頭から振り返ってみるとあちこちのシーンの意味が変わってなるほどすごい。
ネットに晒され、嘲笑と暴露に心を挫かれるも、最後まで意地と青春を張り続けることで大人たちに対抗し、最終的に大人たちにも子供じみた馬鹿な真似を呼び起こすという勝利の形は、あの頃子供だった大人たちにも優しく、いい気持ちにさせてくれた。もっと大人をボッコボコにしてくれてもよかったけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?