6/1 『地獄の花園』を観た

面白、かった。何歩か引いてみれば。

おはなしはまあ、言わせてもらえば、ひどいものではあった。ありもののパターンをいろいろ積みつつちょっと裏切りつつ、小ネタをはさんでつなぎ、最後には台無しにして何も言えなくさせる、特に「考えさせられた」などとは意地でも言わせてなるものかって感じのクソ感、あるあるとしてのクソ映画感。何も考えずに楽しめるどころではない、何か考えたら楽しめなくなる、そんなもっと恐ろしいものの片鱗。

だがここまで考えさせないと、逆に考えてみたくなるというもの。どうにかして面白いものとして観たくなってくる。
まず、カタギのOLと裏のOLのあまりの断絶ぶりというのか、「普通」の世界が「裏」にまるで頓着していないのが徹底しているのはよいと思った。いくらなんでも社内に他社勢力がカチ込んできたら裏のOLだけでなくカタギの人たちも動揺しろよと思うのに、主人公まわりなどのごく一部を除き全然一雇だにしない。あくまで裏のOLたちだけが対処にあたる。会社内だけでなく外でもそう。なんかもう、そういう世界なのか?同じ場所に二種類の人が存在してて、お互いの存在は見えてないみたいな……そういうSFか?なんかそういうSF聞いたことあるぞ、読んだことないけど……とか思えてきて面白かった。
あとOLたちの乱闘シーンは、これは結構普通に面白かった。征くはOL、迎えるもOL、血飛沫がベストスーツに跳ね、ピンヒールがオフィスフロアを穿つというOLだらけの戦場は、なかなか斬新で素敵な光景だった。まあそれがコンセプトというか、作品の発想の原点であっただろうし。

他にも、音楽などはかなり盛り上がっててとても良かったし、OL同士の友情や、どんだけボコられても減らず口を絶やさない意地みたいなもんも、なかなかエモかったのではないか(最後台無しにされるけど)と探せばいろいろ良いところもあったが、でもま、いろいろ考えたうえで、結局のところ観たまんまに楽しめばいいのかもなという気もしてきた。来た、観た、そこそこ楽しかった。

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