1/29 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観た

どっ……こまで本気にしたものか、戸惑いが強い。マジな顔をしてバカやってるのか、バカみたいだけどマジなのか、判断に困る。ガンダムSEEDのこと、中学生の時にリアルタイムで観ていたわけだし、それなりに知っているつもりだったけど、あんまりそうでもなかったのかなというもの悲しさもちょっとある……こんな作風だったっけ? だったかもな? という。
テレビ放送から約20年、その間にいろいろマルチに展開したり、派生したシリーズ、ネタとして愛されたような諸々を、可能な限りすべて取り入れて一個の集大成として作り上げられたようなことは感じ取れた。言わばコズミック・イラの∀。アスランの立ち位置も、シンのおそらく本来はこんだけ明るく愉快な子だったんだというキャラも、こんなにメロメロしていましたっけというドラマも、ここは昔からガチだったよなあというメカ周り設定量も、ひとつひとつ元を辿っていくことが可能なのだろう。ゆえに、観た後でみんなでいろいろ語るのはきっと楽しい。ただ初見でそれを観ている間は、様々な方向に散っていたものが一気に押し寄せてくるので、どこを見たらいいのか、どっちを向いてれば一番楽しめるのか、おろおろしてしまったというのが正直な気持ちだ。
そんななかで、キラとラクスの思いのたけがストレートに叫ばれたのは、まあ良かったのではないかとは思う。グラハム・エーカーみたいなこと言いだして、結果相手にいちばん効く煽りにはなっちゃってたけど。なんとなく、キラとラクスって戦火の中で思いが共鳴したとはいえ、なあなあで付き合っちゃってるように見えてたので……フレイやサイとはあんなにやり合ってたのに、アスランとはそこはスッと収まるところに収まっちゃってたし……だから今作でようやく、けじめがついたような気はした。
しかし、にしても、やっぱ……シン周りがちょっと納得できないかな! 心を読んでくる敵に対して、無心で戦えば読まれもしないだろうなんてのはある意味鉄板の対策法だけど、それをガンダムでやるか⁉(しかしそれをやるのがガンダムだろ!!みたいなとこあるのも事実)って思うし、ステラのあれも、「こいつの闇は深すぎる!」も、わかるはわかるが、急に言われても……! だし、その他あちこちの描写も、上述したように憎しみに囚われてなければ本来こんな感じなんだろう、と考えることもできるけど、それにしたってあれは……あれじゃちょっとスザク並みの戦闘力がある玉城じゃん、とか、思ってしまったなあ。いくらルルーシュみたいな新キャラが増えたからって。SEEDでタマキは玉置でしょうよ。
でもま、一気に食べるとちょっと濃厚に過ぎるが、一品一品は確かに美味しいし、後から思い起こせば楽しくもなってくる。きっとまたこれから数年かけてしがんだり擦ったりして、更に味わいを増していくことだろう。あ、でも戦艦の主砲を大気圏離脱に使うって描写は現時点でとても好きだった。一番好きかもしれない。

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