5/15 『モルグ街の美少年』を読んだ

面白かった。

アニメ化をうけての番外編というか、ボーナストラック的な短編+短短編。いやさ耽々編。番外編だからといつにも増してメタネタが多い……いや、これはなんかもうメタっていうか、アレだな、ドラマの最後に、役者が「このドラマのノベライズを視聴者〇名様に抽選でプレゼント致します!宛先は↓こちら↓」みたいな空気。番宣とは言ったもの。
短編の方は仲良く謎解きゲームに興じる在りし日の美少年探偵団。えらいもんで、アニメを観てからだと、それぞれのキャラの脳内音声がすっかりアニメ音声に入れ替えられている。入れ替わりトリックだろうか。もはやアニメオンエア前の、在りし日の脳内音声には戻れない。
本編のトリックは何となく想像ついてないじゃなかったけど、図として表れた館の真実のかたちは、まさに美しいと言わざるを得ない。何たって、そこに出てきた丸に星形という図は、まだ序盤ながらもアニメのOPやEDなどでさんざん見せつけられてきたマークだったのだから。アニメを観ることで真相に気づくことができるという、そのコンセプトが美しかった。
(5/16追記……「丸に星形」つったけど、このあとアニメ第6話見たら、星はあるけど特に丸に囲まれてはなかった。とんだ勘違い)
あと、どうでもいいが、タイトルが『モルグ街の美少年』で、舞台となった大密室展の別名が『モルグ街』だということなら、この『美少年』とはすなわち大紬海兵氏のことを指すのだろうか。作中では一切姿を現さなかったお爺ちゃんだけど、美少年なのかしら。

耽々編のほうも、短いけどスパっと決まって面白かった。むしろこの短さがいい。番外編でない本編のシリーズの方ではその短さに物足りなさを抱いていたけども、なんというかこちらは、新聞の4コマ漫画のような味わいがある。
いっそ、どっかの新聞で連載してみるというのはどうだろうか。365日毎日耽々編。あるいは日めくりカレンダーのようなものでもいいかもしれない。かつては12ヶ月連続刊行なんて無茶企画も成し遂げた西尾維新御大のこと、365日連載も不可能ではないのでは? ご一考されたい。

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