1/14 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 3 「case.双貌塔イゼルマ(下)」』を読んだ

面白かった。
上巻のライネスからバトンタッチし、下巻はグレイが一人称語りを担当。グレイ、地の文では師匠以外は呼び捨てにしてるんだな。意外。この子のことはアニメとFGOなどで見てきたが、まだまだわからないところが多そうだ。怖がりで引っ込み思案で自己否定的であるが、今巻での一人称語りからはどこか俯瞰するような態度が伺えた。まだ周りとうまく馴染めずにどこか傍観者的になるというのはわかるが、それであるにしても、その視点はやや高みから見下ろすような雰囲気がある。気のせいかもしれないが。あれか、先祖の血ゆえなのかな。
事件に関しては、てっきりファンサービスめいたゲスト出演かと思っていた蒼崎橙子が、思いの外めちゃくちゃやっててちょっと引いた。あんたのせいで本件の危険度難易度が跳ね上がってるんじゃないのか。封印指定マジ妥当。もっとも事件の顛末が明らかにされた後の「ーーやっぱり、頼めば死んでくれたかもね」という締め台詞はちょっと空の境界っぽさを思い起こさせ、そういえばそもそもこんな感じだったとも思う。
ラストではⅡ世、あるいはウェイバーの、征服王への色褪せぬ思いが垣間見られるが、下巻冒頭でのグレイへの語りかけをみるに、実は征服王と同じくらい、英雄王の偉容というのも彼の心に強く焼き付いているのではないかとも思える。想いの種類は違うだろうけど。となると騎士王についてはどうなのか、というのは、今後グレイを通して描かれていくのかな。

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