見出し画像

1/12 『諏訪の神さまが気になるの』を読んだ

諏訪のこと、とりわけ諏訪湖などは僕も好きで、よく理由もなく訪れる……というより来てみたはいいものの特に何もすることがない、観光やアクティビティ的なものにお金を使うほどでもない、ので仕方なしに湖周りをぶらぶら歩く、といったようなことをたまにするのだが、そんな諏訪にまつわる神さまの話と言えば確かに結構気になるところではある。タイトルと気分が見事に合致して購入。
著者の方も最初から諏訪に詳しいわけではなく、いろいろ調べたり専門家に聞いたりしたものを本にしているので、初心者と同じ視点で学んでいくことができる。ただ、紹介される文献、その文章などが著者によって要約されていて、おかげでわかりやすくはなっているのだが、どうしても原文が気になってしまう。そちらも載せておいてほしかった。載せられたところでちゃんと読むかっていったらあれなんだけど。
諏訪大社の縁起、祀っている建御名方神の話などは面白く、興味深かった。神話的には敗者であり、天つ神の建御雷神側からしたら1話でパーフェクトに噛ませ犬な挙動してるのに、今となっては共に並べて祀られる対象になっているとことか。そういうおいしい立ち位置のキャラ、いるけども。
しかし人の歴史の話になると、そこはいつもの陰々とした権力争いの歴史で、同じ一族だし名前も似通ってるしで気が滅入ることこの上ない。ただ、その諍いを統べる手立てが長年の祭礼の記録などで、歴史や伝統を掌握・保持することが力となり、権力になっていくということがよくわかる。
あとミシャグジなる朧気な神も面白い。降ろすとか付けるとか、扱いが召喚魔法か属性付与魔法みたい。もののけ姫でいうコダマ的なヤツかと思ったら、その中でも特別な「二十のミシャグジ」というものがいるあたりもマンガっぽい。よく見たら表紙のタイトルにまとわりついてるのがミシャグジか。しかし数えると十八体しかいない。ここは二十体描いといてほしかったな。
これを読んでるとき、たまたま並行して京極夏彦『狂骨の夢』を読んでいて、そこでも建御名方神の名が出てきていたので、不思議な縁を感じたりした。あと噂で今やってる鬼太郎の映画では狂骨が出てくると聞き、ちょっと興味が沸いてきた。今年はこういうご縁を大事にしてみようか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?