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2/2 『魔女と猟犬 2』を読んだ

前巻は表紙イラストに惹かれて買ったのだが、今巻のイラストもまた良い。いやほんと好いな……電車の中とかで読んでるとき、こんな女の子のどアップ表紙だったらちょっと恥ずかしくて表紙隠してしまいがちだけど、こんだけ好い表紙だったらむしろちょっと見えててもいいだろって思えてくるほど。
まあそう言う割に前巻から随分間が空いてしまっていたのだけど、それも序盤にこれまでのお話を用意してくれていたので助かった。更に続いて魔法の系統レクチャーまで……いやこれだいぶ念能力だな。パクリだとか言うつもりはないけど、あまりにも念能力に換言できてしまうのでちょっと可笑しくなってしまう。魔法の能力名もそれっぽいし。念能力の系統立てが優秀過ぎるせいもあるだろう。ファンタジー世界におけるエルフやオークのように、能力バトルものにおいては前提知識化したものと見てよいのではないか。
〈北の国〉の助力を得るために外交したり、サウナにまで入ってととのったりしておきながら、討伐隊のメンバーと全然心通わせられてなかったのが意外というかなんというか。裸の付き合いまでしたのに。リアルはそんなもんと言われたらそれまでかもしれないが……なんか作者のサウナ体験を作品に盛り込んでみたかっただけじゃないかという邪推が浮かばなくもない。2021年刊だが、ちょうどサウナブームとかこのくらいだった気がするし。まあそうでなくとも、言葉の違いを利用して二枚舌外交とか、魔女との遭遇戦ではあっさり討伐隊に牙を剥いて結果殺させてしまったりとか、ロロのその場しのぎ具合がなかなかで実に心許ない。いやそもそも課せられた任務が一介の暗殺者には大きすぎるんだろうが……と思っていたらマジでその通りで、とっくに限界を超えていたのだった。致命傷を負いながら辛くも九使徒の一人を倒し、二人目の魔女も手中に収め、実際大金星と言っていい。もしかして本当にこれで死……? と思ったらギリギリ首皮一枚残ったけど、すわ主人公交代かと思った。ジャケ買いでまだ2冊しか読んでない作家だからな、先が読めん。
物語としても事態は一進一退で瀬戸際が続き、落ち着いていられない。どういう展開になってもおかしくないので、引き続きヒヤヒヤしながら読んでいけるだろう。

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