8/4 西尾維新『ヴェールドマン仮説』を読んだ

面白かった。
まず、舞台が令和! 令和時代の小説は初めて読んだ。発表から4か月、改元から3か月も経っているのでさすがに「令和時代初の令和時代が舞台の小説」ではないだろうが。こういうところで、ようやく改元したのだなあと実感するものなのだなあ。
お話もとても面白かった。騙された、というよりはかき回されたという感じ。構成にまんまと引っ張り回された。一人称語りの文体もこうしたミステリなら相性的にもよく、西尾維新の現在の作風の最適解と言っても過言ではないのでは?
現在の作風といえば、「自殺が未遂となってしまい、病院に運ばれて眠り続けるけど実は寝たフリ」というモチーフ(っていうのか、この場合)は他作品でも出てきたものだが、何かこだわりでもあるんだろうか。児童虐待についても最近多い……と言いたいところだが、これは思い返してみると『物語』シリーズなんかは実は最初からしてそうだし、『戯言』シリーズでも語られないだけでわりとそんな感じだったかもだ。これはむしろ、最初からあった色がより濃く出てきた、あるいは出してきた、というべきか。
家族の出番は結構偏っていた感じがしたので、シリーズが続くならもっと活躍をみたいところ。でも第2弾が出るのは200冊目のときなんだっけ? なかなか長いな……

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