5/28 『ぼくらの魔女戦記 Ⅱ 黒衣の女王』を読んだ

面白かった。
Ⅰ部の裏側ではこういうことが起こっていましたという展開で、いろいろ繋がりが面白い。が、Ⅰ部で“ぼくら”が翻弄された裏方たちの動きが意外と行き当たりばったりで、流れがわかっているのに結構ハラハラする。Ⅰ部で謎の女性として活躍したシルビアことカトリーヌも、Ⅱ部ではⅠ部以上に八面六臂の活躍と言えるんだが、いかんせんだいぶノリで動いてる感が強い。ただそれでうまく言ってるので何とも言えないが。まあ既に魔女の後継者候補を守るために日本から少年が呼び出され、その少年の行方を追って仲間たちが
ぞろぞろとやって来たりしてるわけだし、計画も何もあったものではないか。黒魔術を相手にするにはそれくらいライブ感で動かなきゃ。
魔女の後継者候補と目されているルチアのキャラクターも良い。これでもかというほど美少女であると描写されるし、ミステリアス挙動にも事欠かない。齢13歳にして18歳の日比野をメロメロにしてしまうなど、つくづくラノベの息吹を感じる。他の誰でもない、日比野とカップルっていうのがいいよね。
そして、あらためてこの日比野朗という男を考えるに、本当いいキャラをしている。中学時代はただの食い意地張ったデブキャラで、敵にとっ捕まって泣いてしまうなどの情けない場面などもあったが、高校時代に入ってからは料理人になるためレストランでバイトをし、更には本格的な料理修業でイタリアへ留学し、ついには今回のようにほぼ主役級の立ち回りをするまでになった。
また、中学時代に”ぼくら”の集まる場所といえば相原の家の学習塾であったが、学校もバラバラになった高校時代では日比野の働くレストランが集会場所に使われることも多かった。飯を食いに行くという理由で気軽に出向けるし、出向けばそこでちょうど仲間たちとも顔を合わせたりなどして物語が進んだりする。キャラクターとしてのみならず物語の駆動装置としても、気がつけばとても重要な位置を占めていたわけだ。
舞台裏が明かされ、仲間たちとも合流しはじめ、いつもの空気感も取り戻しつつ反撃の機を伺いながらⅢ部へと続く。いやあ、面白いな。

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