12/20 『来る』を観た

面白かった。
ホラー映画は怖いのでわざわざ昼間に観に行った。おかげでそんなに怖くはなかった。どころか後半はとても楽しめた。日本中から霊媒師が集ったり、柴田理恵が炎の匂いしみついてそうだったり、それまでとは別作品のように格好いいビジュアルがてんこ盛り。海外でウケそうだな、とか思ったり。小松菜奈の脚もめっちゃエロい。
少しだけ不満を言うなら、秀樹を空っぽだ空っぽだとみんな嘲っていたけれど、虚飾でもそれで一応はあそこまで成功を得られたんならそれだってまあまあ大したものなんじゃないかと少し思った。妻にそうしてたように、辛いことは周りの人に押し付けたり犠牲にしたりして得た成功だったかもしれないが。でもそんな空っぽだなんて言ってる人らの、詰まっているというその中身は泥か糞みたいなもんばっかだったわけで。まあこれは作品への不満ではないか。
調べてみると後半の大霊媒師大戦は原作にはない要素だとか。代わりに原作では「あれ」の正体について詳しく書かれているらしく。いい棲み分けになっているんじゃないだろうか。原作も読んでみたい。しかし映画オリジナルにしてはあまりにも強すぎる展開だし、ものすごい英断であると思う。一体誰がこうしようって言いだしたんだろう。
千紗ちゃんの行く末については、まあ類稀なる才能を持つ次代のスーパー霊媒師候補として英才教育を受ければいいんじゃないかなと思う。過酷な人生ではあろうが、両親も死んでしまったし、どの道安楽な人生は歩めないんじゃないか。結局のところ彼女はずっと無邪気だったのだろうと思う。保育園の友達にケガさせて笑っていたというのも、まあ人並み(幼児並み)の残酷さなのではないか。おそらくそんな残酷さの積み重ねが「あれ」を形成していったんだろうけれども(少なくとも映画版においては)。本当に怖いのは人の云々、とかいうけれども、単なる無邪気さだって条件次第じゃココまでクるんですよ、というか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?