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3/21 『Fate/strange Fake⑦』を読んだ

刊行ペースについては作品シリーズ固有の特殊な事情もありましょうし仕方ないにしても、刊行されたならせめてそれなりには話が進んで欲しい……なんだか他作品他世界、本作には登場しない人たちへの言及ばかりが目立って目の前のストーリーに視線が定まらない。人の皿からつまみ食いばっかしてて自分の皿が全然進んでないような悶々とした時間がちょっと多いな……、と、不満が溜まってきてはいたんだけど! 最後の怒涛の戦力投入を見れば、さすがにここからは物語が畳まれてくんだな、曲がっちゃいけないようなところも無理矢理折り畳まれていきそうだな、という予感がひしひしと伝わってきた。思えば毎巻、そんな気がしていたような気もするが。

ストーリーだってまあ全く進んでないわけじゃあない。フラットは少なくともマスターとしてはリタイアしたわけだし。代わりに聖杯戦争自体に対する別種の脅威となってしまっただけで。しかし、フラットもその血統の奥に隠された秘密がとうとう明かされたように見えて、実際なんもわからんな。俺の型月知識では追いつけない速度に入ってきてるのだろうか。
偽ライダーも消滅寸前だが、土壇場で女神の手が差し伸べられる。なるほどあちらの女神が顕現するならこちらの女神も表裏一体で干渉の余地が生まれるというわけで、豊穣の女神が調子にだいぶ乗っている分、こちらの方もカッコイイところが見られそう。
真アサシン陣営もリタイアを決めたということで死地に向かわされてしまったようだが、なんだかこの真アサシンさんはたとえ使い捨てられたとしても格を落とさず、しかし確かに使い捨てというかたちでリタイアしていきそうな予感がする。見せ場さえ見せないアサシンの矜持か。
他にも偽キャスター陣営がアットホームな陣地作成してたり、ウォッチャーとシグマも順調に絆レベル上げてってるし、こうしてみるとこの聖杯戦争、これだけキャラや勢力がいながら、マスターとサーヴァントの関係が悪い陣営ってのが殆どいないな。せいぜい偽アサシンぐらいか? でもそれももう契約切られちゃってるし。真バーサーカーはマスターとほぼ交流がないが、割り込んできたイシュタルに今巻ですっかりメロメロになってしまったので間接的に良好と言える。なんだ、ひょっとして今回の聖杯戦争で一番異常なのソコなんじゃねえか。果たしてこの蜜月関係が最後まで続くのか。続きそうだな。次巻はレイドバトルも発生するようだし、一気に収束していくのだろう。ラストを見る限り、つまみ食いのように思っていた部分もちゃんとクライマックスの大渦にすべてを引き込むための伏線というか撒き餌だったことがわかったので、そこは信用してる。

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