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Something brown

茶色いものが好きだ。

おいしいものはだいたい茶色い。

カレーライス、
ビーフシチュー、
とんかつ、
コロッケ…
味噌汁だって茶色いし、
カリッと焼いた目玉焼きの裏側だって茶色だ。
コーヒーは、限りなく黒に近い茶。
あ、「茶」って言葉自体「茶」だ。
緑茶でも、紅茶でも。
グラニュー糖よりてんさい糖や黒糖の方がおいしく感じる。

好きな茶色は食べ物だけじゃない。

生成りのコットンや、漂白していない紙も好きだ。
なんとなくだけど、使っていると健康になれる気がする。
多分気のせい。

昔、無漂白のティッシュを使っていたけれど、
鼻をかんでも鼻水の色がよく見えず、
健康状態がわかりにくかった。
何事にもよい面とそうでない面があるということだ。

茶色とは。

食べ物を高い温度で長時間熱すると、焦げて茶色になる。

採れた天然素材をそのまま使うと、茶色。

加工済と、未加工。

手を入れるか、入れないか。

茶色には「手」がかかわっているのかな。

それが「赤」だったとしよう。
手をかけても赤くなるものはない気がする。
絵の具や染料を使うのは、また別の話。

「茶」は、「色」じゃない。
茶色として生まれてきたもの。
手をかけて茶色にするもの。

茶色とは、私たちがつつがなく生きている、証のように思える。

だから、茶色いお弁当は、尊いんだ。
おいしく焼けたお肉。
おいしく揚がったコロッケ。

「手」というものを借りた愛情が、
一生懸命揚げ物を作るわけじゃない?

だから、文句は言わないで。


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