鉄の時代

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-11
J.M. クッツェー (著), くぼた のぞみ (翻訳)

何よりも訳者の瑞々しい息遣いに終始アパルトヘイトのきな臭さよりも病気におかされながら良心に基づく行動をどう示していくか、人生のおわりまでどのように政治や病より精神の尊厳を守っていくかが年老いた女主人公を以て鮮やかに描かれている。
クッツェー自身が初めは女性かと思うような、心のひだが丁寧に描かれていて、人種や地域がその国や思想の中において「禁忌」になる段階を経た描写は隣国を見ている私たちにも酷くリアルの映るかもしれない。

コロナにおいて行政とは、福利厚生とは、と様々な関わり方を持った私たちがウイルスよりも簡単に「なに」とかかわっていくのかを選ぶために読む本。


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