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じゃあ、お元気で。〜一杯の焼酎〜

こんばんは。アロハシャツです。
今日は夏至でしたね。季節としてはこれからが夏真っ盛りなんだけど、今日を境に徐々に日が短くなるのかと思うとなんだか不思議な感じがします。

さて今日は、酒飲みの私たち夫婦が大好きなお店についてです。
私たちの住む街は、駅前に様々な居酒屋さんがたくさんあります。
でも多すぎず、かといって少なくもなく、雑多な感じはしなくて、私も主人もこの街をとても気に入っています。

結婚してこの街に住みはじめて、すぐに通うようになったお店が2軒あります。
このたび、そのうちの1軒が5月末に、残りの1軒も6月末に閉店することになりました。
5月末に閉店したお店は、お魚が売りの居酒屋で、関東にあって博多の郷土料理ごまさばが食べられるとあって人気のお店でした。

ごまさば。

友人が地元に来てくれて、ちょっと飲もうとなった時に安心して連れて来られるお店でした。
もちろん主人とも美味しいお魚を食べたい時に何度も来た、思い出の多いお店でした。

6月末で閉店してしまうお店は、いわゆる「安い・美味い・早い」を地で行く人気店でした。若いご夫婦がお店を切り盛りされていて、バイトさんたちが元気に働いていて、店の看板娘であるご夫婦の娘さんが、時々お店の中をよちよち歩いている…

私は結婚当初、異動したばかりの部署がとても忙しいところで、帰りが21時や22時を過ぎる毎日を過ごしていました。
いくら居酒屋さんが遅くまで営業しているとはいえ、その時間になるともうラストオーダーを過ぎている…ということも少なくなく、
同じくらいまで仕事をしていた主人とふたり、夕飯に困って途方に暮れるということもたびたびでした。
そんな時にしょっちゅうお世話になったのがこちらのお店だったのです。
ラストオーダーも他のお店より少し遅めで、疲れた私たちをおかみさんが温かく迎えてくれました。
決まって頼むのは、冷たいビールと強い火力で一瞬で仕上げる大判のニラ玉。
新婚なのに、まともに夕飯を作る時間も気力もなく、情けない思いとともに口にしたニラ玉の味。でも、それでもいつも温かくて、美味しかった。
そうやって次の日もまた仕事を頑張って、
そんな日々の中で、こんな働き方でいいのか?私が築きたい家庭はこんな毎日でいいのか?と自問自答することが続き、
今はきちんと自炊ができる時間に仕事を終えられる会社に環境を変えましたが。

2つのお店は、コロナ禍の緊急事態宣言下で
他のお店と同様、休業を余儀なくされた期間がありました。
でもコロナ禍をこえて、また変わらず営業を再開してくれていたので、安心しきっていたのです。
自炊が増えて、一時よりは足が遠のいていたので、突然の閉店の知らせに動揺したのは確かです。
理由は、聞きませんでした。コロナ禍を越えたのに何故、という気持ちは確かにあります。
また2軒とも、休日前となればお客さんで席が埋まる人気店でもありました。
でもコロナ禍をこえたからこそ、素人の想像を絶する苦悩があったんだろうなと思います。

店主のご夫婦は、おかみさんの地元へ戻られるそうです。
理由はどうあれ、この店に通ったお客さんはご夫婦のことを忘れないでしょうし、お二人の幸せと健康を祈るだろうと思います。
私も、自分の幸せのあり方を見直させてくれたニラ玉の味を一生忘れないと思います。

「じゃあ、お元気で。」と言った私に、「お体に気をつけてくださいね」と言ってくれたおかみさんのことを、忘れません。
これまで、ありがとう。

こちらの曲は、コロナ禍の状況を歌った曲ですが、お店が閉まるといつも思い出す曲なので載せておきます。


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