障害重度別HDDのデータ復旧方法

対象機器:Windows10、11で使用している内臓/外付けHDD
HDD/SSDの障害は論理故障、物理故障で分けられ、論理故障はフリーソフトとパーティション等の知識があれば個人で復旧できるが、物理故障の場合個人での修理は困難
また、[重度の論理故障]以降の操作は障害を悪化させる可能性があるため、重要なデータが入ったHDDは自分で試さず修理を依頼することを推奨

1.誤って削除したデータ、フォーマットしたHDDの復旧(軽度の論理故障)

ごみ箱を経由せず削除、ごみ箱を空にしたデータは、削除した直後であれば復旧ソフトRecuvaを使うことで復旧できる
SDカードやスマホから消した写真も同ソフトで復旧できる

HDDはデフラグ、SSDはTrimが実行されると専用業者でも復旧できる確率が低くなる
windowsの標準機能であるボリュームシャドウコピーを有効にしていれば前日のデータに復元できるため有効化を推奨する

2.エラーやフォーマット要求が出てドライブにアクセスできない(重度の論理故障)

HDD書き込み中のPC強制終了や、機器の長期利用で発生する場合がある
専用業者に依頼すると1〜3万円かかる

個人で修復する場合、testdiskでドライブが認識されるか確認して、認識する場合はパーティション情報を修復することで復旧できる可能性がある
また、パーティションが修復できなくてもtestdiskの機能でファイル単位の取り出しができる

testdiskでパーティションを修復しても変わらない場合や、特定ファイルアクセス時にPCがフリーズする場合はセクタ障害の可能性が高くそのままHDDを復旧する事は難しいため、ddrescueを使ってディスクのクローンを作成する必要がある(クローンを作成してもいくつかのファイルは復旧できない可能性がある)
ddrescueをwindowsで使う場合はCygwinのインストール、またはUSBメモリなどでUbuntuを起動する必要がある

3.HDDをPCに繋ぐとPCがフリーズする、HDDから異音がする(軽度の物理故障)

外付けHDDをデバイスマネージャーで認識しない場合は、外付けHDDケースの故障か、HDDの故障の可能性が高い
HDDケースを変えるかPC本体に内蔵することで認識させることでケースの故障は切り分けられる
稼働時に一定間隔でカチカチ音やバネの音がする場合、ヘッダーと呼ばれるディスクを読み書きするパーツが経年劣化している可能性が高く、HDDの分解とパーツ交換が必要
専用業者に依頼すると3~5万円+コピー先HDDの費用がかかり、故障したHDDは再利用不可
ヘッダーはHDDのメーカーや機種毎に異なるため、ドナーとして同じ機種のディスクを用意する必要がある
ヘリウム充填HDDでなければトルクスドライバーとドナーがあれば個人でも交換できるが、ディスクを傷つけてしまうと読みとれなくなる場合や、専用業者が分解済みHDDの復旧を拒否する場合があるため個人でのHDD分解は最終手段
SSDは物理故障するとチップの移し換えが必要なため個人では解決が難しく、専用業者への依頼が必要

4.HDDの駆動音がしない、ガリガリ削るような音がする(重度の物理故障)

落下や浸水などでダメージが大きく、ディスク以外のパーツ全交換が必要な状態
専用業者に依頼すると10~30万円かかる
ヘッダーより先のパーツは繊細で、強力な磁石もあり個人での交換は困難なため専用業者に依頼する必要がある

5.データ復旧業者について

[データ復旧]などの検索ワードで上位に出るデータ復旧業者はほとんどぼったくりで、相場の5〜10倍要求される場合がある

また、見積もりを依頼してからキャンセルすると、わざと状態を悪化させて返却するケースもあるため見積もりの依頼も推奨しない

HDDメーカーと提携しているデータ復旧業者であればドナーがあるため早く復旧できる可能性が高い
以下の2社はメーカー以外のHDDも受け付けており、相場価格で修理できる


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