剪定

庭のどんぐりの木
今年は夏の暑さが厳しかったせいか
どんぐりはならなかった。

厳しい年には種をつける木もあるのに。
どんぐりはちがうのかな。

よいしょっと
大きな脚立にのぼってから
塀の上に立ち
どんぐりの太い枝につかまりながら
黄色くなった
大きな葉をつけた
どんぐりの少し細い
まだしなやかな枝に鋏を入れる。

何回も
何回も
鋏を動かして
やっとのことで
枝を切り落とす。

腕がしびれ
目眩がしそうになりながら

今年の剪定が終わる。

切り落とした枝には
来年に葉になるつぼみが用意されていた。

けれども
生命力の強い
どんぐりの木には
それでも
毎年
立派な葉が繁る。

何年か前にとってあるどんぐりにも
まだ芽を出す力がある。

そんなことを考えながら
ゆっくりと
転ばないように気を付けて
塀から脚立に移動し
そしてアスファルトに降りた。

気を抜いたら
怪我をしそうな年になってしまった。