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最近観た映画の感想を書く。よし書こう。

持崎湯葉です。

Twitterにて、
「3月はインプット期間だから脳爆発するほど映画観に行くわw」
などとほざいたのは1ヶ月前。

しかし3月中旬以降、PS5「ワイルドハーツ」にどハマりしたせいで、
後半はあまり観に行けなかった愚者を人は持崎湯葉と呼ぶ。

とはいえ月末にnoteで駄感想を記そうと思い、
それなりに駄メモを取ってきたので、ダラダラと書いていきます。

言うまでもないですが、僕はスーパーにわかです。
ひとりで映画館に行くのが好きなだけのラノベ作家です。

なのでどうか寛大な心で、
幼稚園児の落書きを見るような気持ちで、読んでいただければと。

あと微ネタバレくらいは含まれるので、ご注意ください。

すずめの戸締り

3月に観ました。おっっっっっそ。
まずオープニングのキレ味ですよね。
あの10分くらいの間にあらゆる情報をちりばめて、
でも言葉で説明的に語るのはできるだけ避けて、
世界観を伝え切ったところでタイトルがバンっ!
カッケェ。ただただカッケェ。

ヒロインは高校生ですが、
お相手の男性は、最近の新海誠作品の中では最も大人ですよね。
新海誠監督の描く男子には常に『童貞っぽさ』が付き纏っていましたが、
草太さんにはそれがまるでなかった。奴はたぶん童貞ではない(憶測)。

たぶんすずめちゃんは、ジブリ作品の中で一番好きな男性キャラは
ハウルなのでしょう(完全に憶測)。
なので草太の魔法使いのような雰囲気に心惹かれるのも無理ないよなぁ、
なんて思って観ていたので、実は大学生と明かされた時の反応は、
すずめちゃんとまったく同じでした。

それで生計立ててる類の人じゃないんかい!!!!

でもその辺りから草太の人間味も出てきて、
だからこそより心が近くなった感がありますよね。うまい。

後半の展開などは大いにネタバレを含むので語りませんが、
とにかくアレを真正面から描いた勇気には脱帽です。
少なくとも僕には、真正面から挑んだように見えました。

THE FIRST SLUM DUNK

これも3月に観ました。おっっ(ry

驚きました。想像した以上に凄かった。
一番度肝を抜かされたのは、絵と動きにおいてですが、
「漫画と違う」という感覚がほぼなかったことです。

読んでいる漫画がアニメ化したとき、
「うーんその描写違うんだよなぁ」
という感覚に陥ること、きっとあると思うのです。

そりゃだって媒体が違うし、絵を動かすには別のアプローチが必要だし、
何より読んでいる人の感覚なんて人それぞれだし。
と、僕はそんなフォローを勝手にして、飲み込んできました。

でもこの映画は、マジでスラムダンクです。
紛れもなくスラムダンクです。

目の動きでのフェイントとか、リバウンドの時のほんのわずかな間とか、
バスケ描写のすべてが漫画で読んだ通りの空気感で伝わってくる。
これが本当の、解釈一致。井上雄彦神、恐るべし。

特に如実に感じたのは、コメディシーンです。
とにかく間が完璧。ツッコミを入れたり、変に間延びしたりもしない。
ちょっと素っ気ないくらいが、ちょうどいいんですよ。

本作には「FIRST」とついてますし、
井上先生は他にも様々な作品を手がけていますが、
僕個人としてはスラムダンクでもバカボンドでもリアルでもない、
井上雄彦監督の、完全新作アニメが観てみたい……!
本作でつくづくそう思いました。天才っているんだなぁ。

脚本についても語りたい……!
でも間延びさせたくないので、次!

アントマン&ワスプ:クアントマニア

MCU作品で一番好きなのは、と尋ねられたら、
「アベンジャーズ4本とシビル・ウォーはズルいから省くとして、
 単体のヒーロー作品ならアントマンかな〜」
と、ほざくくらいには大好きです、アントマン。

まぁシンプルに言えば、
MCUヒーローの中で一番アントマンが好きです。初めからそう言え。

ではなぜ好きなのかというと、
良い意味で『小さい』話だからです。名前の通りなのが素敵。
他のヒーローたちが国とか世界を背負って戦う中、
スコット・ラング=アントマンは、ちゃんとした人になるために戦います。
もっと言えば、娘に誇れるような自分になるために。

それがたまらなく愛しいのです。
そうしていつの間にかキャプテン・アメリカと共闘したり、
結果的に宇宙のために戦っちゃうところも愛しい。

ただ今回は、わりと序盤からあまり小さくないお話です。
いや量子世界の話なので物理的にはめちゃくちゃ小さいのですけれど。

なので「うーん、アントマンが頑張るところってこういうところかぁ?」
という気持ちが拭えぬまま見ていたのですが、
一貫して娘のために頑張っている姿にはやはり胸を打たれました。
どこに行ってもアントマンはアントマンでした。うん、好き。

量子世界の話ですが、ジャンルとしてはスペースオペラに近いですよね。
正直、量子世界人たちの造形にはワクワクしました。
めっちゃ気になる奴いっぱいいた。ブロッコリーとか。
集落のシーンも酒場のシーンも楽しそうで、
普通にあの中に交ざりたいと思ってしまった。

あとカーン様の演技、凄まじかったですね。
このままラスボスとして君臨してほしいです。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

今年のアカデミー賞、ほぼ独占!!!
それもむべなるかな。本当に良かった。
笑いました。そして泣きました。

領収書には物語がある。
僕の領収書にもきっと……。
そう、確定申告の直前に観て遠い目をしていました。

壮大なマルチバースの皮を被った家族のお話。
ボーボボとかマサルさんみたいな荒唐無稽なギャグ映画
かと思って油断していたら、
ある時からコメディが真理へと昇華する。

あそこで選択した道を変えていればとか、
運命に呪われてばかりだと頭を抱えたくなる人生だけど、
本当に考えるべきは目の前にある大事な存在。

「混乱している時こそ優しくあれ」

この言葉はいつまでも胸にしまっておきます。
いろんな人に、映画館で観てほしい。
映像もスッゲェですよ。

イニシェリン島の精霊

あらゆる感情が溢れました。
おじさん同士のくだらねえ喧嘩がなんでこんなに面白くなるの。

本当にすごい脚本だと思いました。
エンドロールからずっと、家に帰ってもなお思考が止まらない。
あそこがああだとか、アイツがどうだとか、
何々のメタファーだとか、とにかく語りたくなる。
でもプロットはめっっっちゃシンプル。
強すぎん?

おじさんふたりの関係をあらゆるメタファーとして
捉えられますが、僕はシンプルに小学生男子ふたりとして見てました。

お前の話つまらんからもう遊ばない。前から思ってた。
もっと有意義なことしたい。この学校に通えるのあと数年だし。
あいつと仲良くなるのやめたほうがいいよ。あいつつまらんから。

子供かと!!!!!!!!

個人的には4月1日から突然新しいことを始めるところが好きでした。
完全に新学期で舞い上がってる小学生じゃん。

めちゃくちゃ変な映画だけどめちゃくちゃ好き。
2023年、今のところ暫定ベスト。

個人的には、アカデミー脚本賞はイニシェリン島でも良かった気が……。
でもエブエブの脚本も確かにすごかったよなぁ……。

アラビアンナイト 三千年の願い

「あの『マッドマックス 怒りのデスロード』の
 ジョージ・ミラー監督の最新作!」
という煽りは流石にどうかと。罠じゃん。

なぜ人々には物語が必要なのか。
壮大な物語の物語。
とにかく広く開けた解釈の余地がある作品で、
正直僕もすべてを理解できたなんて思えないです。

突如現れたランプのせいに「3つ願いを叶える」と言われ、
いやその願い叶えてもらったら何かしら痛い目見るじゃんとか、
そもそも私、満たされるしなぁと返す物語を専門とする学者。
物語を学術的に研究しているからこそのカウンター。シビれますね。

それでも、そんな彼女にも無自覚の不安が心に存在する。
物語を、イマジナリーを必要とする確固とした理由。
それを踏まえた上で言えるのは、
この作品は紛れもなくラブストーリーだと言える。
人々には物語が必要。その意味を問い直すいい機会になりました。

しかしティルダ・スウィトンとイドリス・エルバの画の力すっご。
会話するだけで映画になっちゃう。
当然そこには細やかな美術も凝らされているんだろうけれど。

そういえばこの作品を見ていた時期、
TwitterのTLでは以下のようなハッシュタグが散見されました。
「#作家は経験したことしか書けない」
タイムリーで笑ってしまいました。

おわりに

もっと観たい映画あった!
バビロンとかフェイブルマンズとか!
でも気づけば上映館減って、
スケジュールもタイトになって行けなくなった!

全部ワイルドハーツのせい!超楽しい!

2023年も4分の1が終わってしまった。
今後もガリガリ書きつつ、映画をいっぱい観てきます!

持崎湯葉

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