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鉄道事業法⑪:土地の立入りと植物の伐採

条文はこちらから。

前回は鉄道抵当法について勉強しました。

今回は鉄道事業の円滑運営のための、非鉄道事業地に関連する条文を勉強します。今回の2条は、近年激しくなっている自然災害への対応として整備されたものです。運用指針については2021年に出されており、鉄道用地外からの被害に対し、対策・早期復旧を目的としたものになっています。

◆土地の立入り及び使用(法第22条)

要約すると、

土地の占有者に事前通知すれば、国土交通大臣の許可のもと、鉄道施設に関する作業・工事のために他人の土地に立入り・使用できる

という内容です。鉄道事業は公共性が高いため、災害やテロなどの際に迅速に復旧をすることを目的とした条文です。

立入りに必要な手続きは下記のとおりです。

①鉄道事業者から地方運輸局長へ、立入り等許可の申請
②地方運輸局長の許可
③鉄道事業者から土地の占有者へ通知
④鉄道事業者から地方運輸局長へ、報告書の提出

◆植物の伐採(法第22条の2)

要約すると、

植物・土石の所有者に事前通知すれば、鉄道施設に障害を及ぼしている・及ぼしそうな植物・土石を、鉄道事業者が伐採・移植・除去できる。

という内容です。建築限界・隔離距離などが侵害される場合が対象です。これも公共性の高い鉄道事業を円滑に推進するための条文です。

必要な手続きは下記のとおりです。

①鉄道事業者から地方運輸局長へ、伐採等許可の申請
②地方運輸局長の許可
③鉄道事業者から植物等の所有者へ通知
④鉄道事業者から地方運輸局長へ、報告書の提出

所有者との交渉の余地があるうちは交渉を行いますが、合理的な理由なく拒否された場合などは、やむを得ないとして国土交通大臣の許可で実施できます。

なお、実際の運用方法や詳細については、国土交通省から指針が出されています。
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001428063.pdf

以上。

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