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埼玉西武ライオンズ 外野手の攻撃力不足を考える

※ヘッダー画像は西日本スポーツの記事より拝借しました


プロ野球のペナントレースは残り30試合を切り、優勝争いも佳境を迎えてきましたが、我らがライオンズは優勝争いはおろか、CS圏内からも遠ざかりつつあり、選手のモチベーション低下が勝敗に影響を及ぼさないか、かなり心配です

見ている方それぞれにライオンズが勝てない理由はいくつか頭に浮かぶかと思いますが、私にとって最も大きな問題と考えるのは攻撃力不足。つまり「打てない」こと



毎週末、DELTAの公式サイトに【wRAA】という指数を用いて、セ・パ両リーグのポジション別攻撃力を発表されていますが、これを見るとライオンズは外野の3ポジションで他球団と比べ、大きく差をあけられているのが分かります

ちなみにこの表は同じポジション同士の選手で比較した表となりますので、極端な話、パ・リーグ6球団のレフトが全員(打率.280/30本)前後打てば、差はほとんど生まれません。だから他球団が(打率.220/5本)前後しか打てない中、森友哉が(打率.320/10本)近く打っているので、ライオンズのキャッチャー部門はどのポジションよりも大きなアドバンテージを得ていることになります

しかしライオンズは森友哉で得たアドバンテージを外野の3ポジションで食い潰しており、これでは打ち勝つ野球ができるわけありません

もちろん、内野の4ポジションで大きなアドバンテージを生み出せていないというのもありますが、外野のマイナスはヒドすぎる。グロいと言ってもいいぐらい…



では近年、ライオンズの外野手はどれぐらい打っていたのかが気になったので、2000年からまで遡り、レフト・センター・ライトのレギュラー格、そして控えの外野手2人、計5人の打撃成績【OPS】を調べてみました

なお【wRAA】という指数は持ち合わせていないし、他球団の比較も大変そうなので、あくまでライオンズの外野手がそれだけ打ったのかに限定したものとなります


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※赤枠がOPS.900以上、緑枠がOPS.800~.899となります

表を見ていただければ一目瞭然ですが、今シーズンは赤枠はおろか、緑枠もなし。それどころかレギュラー格でOPS.700以上の選手すらいない。2000年以降、最も攻撃力の低い外野陣となっていることが分かります

そりゃグロいはずです

一方、最後に日本一となった2008年は赤田将吾を除き、出場機会の多い上位4人がOPS.800以上を記録しており、なるほどなと思わせてくれます


私自身、この表を作りながら思ったのが「そもそもライオンズには強打の外野手が少ないな」というもの

他球団との比較ではないので、ライオンズだけが少ないという根拠はありません。ただ複数年に渡り、OPS.850を超えた「強打者」が和田一浩とG.G.佐藤、そして秋山翔吾しかいない

野球のセオリーとして、センターラインは守備を重視し、両サイドは打力を重視するというのがありますし、その両サイドには打てる外国人選手を配置するのが一般的ですが、外国人選手も数える程度と特殊な布陣となっています

この要因としては出典元が分からず、私の記憶違いかもしれませんが、ライオンズの選手獲得において多大な影響を与えたとされる根本陸夫氏が「外野手は足が速い選手を獲ってこい」と言っており、それを拡大解釈しすぎたためにパワー不足な選手が揃ってしまったのかもしれません

ライオンズ黄金時代でもセンターには秋山幸二、ライトは平野謙がレギュラーとして起用されていましたが、レフトは安部理、吉竹春樹、森博幸、西岡良洋、笘篠誠治などが日替わりで出場しており、強打者は秋山幸二のみでした


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秋山幸二がセンターにコンバートされてからの成績を右下に追加しましたが、圧巻の成績を残しています

ただ秋山幸二というプロ野球史に残るオールラウンダーを西武球団発足後、早い時期に見つけてきたことで外野手に求めるハードルが高くなった可能性もあり、そう考えると皮肉といえば皮肉となります



来シーズンに向けて外野手の攻撃力不足を補うには外国人選手の補強がマストとなってくる

もちろん、外国人選手が成功するにはスカウトの目利きとコネクション、そしてお金が大事で、口で言うほど簡単なものではない。百発百中で当てることができたらこれほど楽なものはないので

ただFAほどマネーゲームを仕掛けないと獲得できないわけではない

レオニス・マーティンは2019年に途中入団した時、推定3240万円。活躍したことにより翌年から二年契約で推定1億6000万円と跳ね上がったが、活躍したのだから上がるのは当然

タイラー・オースティンも入団時は推定1億円、二年目も推定1億1000万円。怪我が多く、休みがちとは言え、あれだけの打棒を誇ってくれたら、十分元は取れてるし、おつりがくるぐらい

ジェリー・サンズも入団時は推定1億2000万円、二年目は推定1億5800万円とライオンズ目線では若干お高めだが、E.メヒアに推定1億円払っていたことを考えたら、浮いたお金で同レベルの選手を獲りにいけなくもない

マーティンは守備も売りだが、他の2人は守備が上手いわけではない。詳しく見ているわけでもないが、中の下or下の上といったあたりか

そうなるとライオンズのフロントであり、首脳陣が守備のマズさをある程度、許容できるかがカギとなってくる

ライオンズには「足の遅い(守備の下手な)外野手は外野手にあらず」という考え方が刷り込まれているだろうから

基本内野手のスパンジーを外野で起用できるんだから、それぐらいは目をつぶってよと言いたいんですけどね


あともう一つ可能性として挙げると、コンバート案

和田一浩、G.G.佐藤はキャッチャー出身。結果的にキャッチャーへ戻ったが森友哉も当時は打力を生かすため、DHメインでたまにライトを守っていました

そこで考えてみたいのが柘植世那の外野コンバート

一軍では 39打数 10安打 1HR【打率.256/OPS.687】
と可もなく不可もなくといった成績ですが、
二軍では 37打数 12安打 3HR【打率.324/OPS1.067】
と”キャッチャーとしては”と前置きがいらないぐらいの打撃成績を残しています

一軍のキャッチャー事情を見ると、森友哉が正捕手として、99/115試合でスタメンマスクを被っており、割合で言うと約86%。残りの約14%を岡田雅利を柘植で分け合う形となっており、今日(9月19日)のようにDHでのスタメン起用もですが、外野でも使ってみるというのは可能性を広げる意味で面白いのではないか



今シーズン、勝てないのは監督の采配云々の前に人材不足が大きい





以前、Twitterに連続投稿しましたが、浅村栄斗と秋山翔吾が抜けた穴を埋められないことが最大の要因でしょう

その為に昨年のドラフトでは野手を多く指名しましたが、彼らが戦力化するのは早くても2~3年先。そして彼らを待っていたら、森友哉などNewコアフォーの面々はFA権を取得するし、栗山巧や中村剛也は引退している可能性もあり、そうなるとまた10年待たなくてはいけない

毎年優勝しろとは言わないが、毎年CS圏内を争う程度の戦力はキープしてほしいし、打てる外国人選手を一人連れてくれば、来シーズンその可能性は十分にある

その為にも、今からチェックは始まっていると思うが(そうであってほしい)、外国人選手の獲得に全力を向けてほしい


では👋👋


参考資料



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