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2022年ライオンズ二軍まとめ

ヘッダー画像はパ・リーグTVから拝借しました

ライオンズはクライマックスシリーズ1stシリーズで連敗を喫し、今シーズンの戦いは終了。二軍はフェニックスリーグ真っ只中とすでに来シーズンに向けての戦いが始まっています

本当は二軍の公式戦が終わった直後に書きたかったのですが、このタイミングでライオンズ二軍の戦いをまとめておこうと思うます


チーム成績


二軍における勝敗は二の次だと考えていますので、勝った負けたに関して論ずるつもりはありませんが、昨シーズンと比較するとほぼ同じで極端に上がったところもなければ、下がったところもない

奪三振率(K%)が上がり、与四球率(BB%)の減ったのは好材料。逆に一軍同様、盗塁成功率の悪化は気になるところです


打者編




今シーズン、松井稼頭央二軍監督が一軍ヘッドコーチとなり、新たに西口文也一軍投手コーチが二軍監督に就任。大枠はチームの方針があるものの、監督が変わった事で何が変わったのかと見ていくと、満遍なく選手を起用しているのが分かる


300打席以上
2021年:2人(渡部健人、山村崇嘉)
2022年:1人(渡部健人)

200打席以上
2021年:7人(高木渉、ブランドン、佐藤龍世、川野涼多、中熊大智、仲三河優太、鈴木将平)
2022年:4人(高木渉、山村崇嘉、川野涼多、中熊大智)

100打席以上
2021年:5人(長谷川信哉、綱島龍生、川越誠司、西川愛也、木村文紀)
2022年:14人(R.コドラド、長谷川信哉、ジャンセン.W、若林楽人、山野辺翔、戸川大輔、川越誠司、齊藤誠人、西川愛也、鈴木将平、仲三河優太、滝澤夏央、中山誠吾、平沼翔太)


コロナ陽性反応で試合に出られないのもあるし、そのリスクヘッジとして固定させなかったのもあるかとは思いますが、一番の違いはここではないかと。これだけ満遍なく選手を打席に立たせたということは守備においても同様で、昨年はショートに山村崇嘉をスタメン数ならびに総イニング数でシーズンの50%以上起用したが、今年は40%を超える選手はいませんでした


捕手


2022年ライオンズ二軍キャッチャー守備機会

まずは古賀悠斗を一軍で早く使えるよう"仕込む"ため、開幕から優先的に起用。森友哉がアクシデントで離脱したため、一軍でも早くから起用されるようになり、チームとしての計画が上手くはまった

その後は岡田雅利、牧野翔矢が怪我で全休が決まり、中熊大智と古市尊はコロナ陽性、動ける捕手が齊藤誠人のみとなった事から、駒月仁人ブルペン捕手兼スコアラーを育成枠契約して何とか急場をしのいだ

この様な緊急事態もあり、最も出番を得たのは齊藤誠人。2年前には打率が1割を割り込むほど打てずにいたが、キャリアハイの.242。一軍目線で見れば喜んでいる場合ではないのだろうが、5年掛かってようやく標準レベルにたどり着いた。状況としては厳しいが一軍でのチャンスを目指して諦めずに頑張って欲しい

中熊大智は昨年、3年での支配下登録がかなわず落ち込んでいたが、秋元宏作二軍バッテリーコーチ(現ファームディレクター)からの励ましなどもあり、一念発起。7月13日に念願の支配下登録を勝ち取る

しかし8月にコロナ陽性判定を受け、この一か月の間に幸運と不運が一気に押し寄せてきた

シュアなバッティングは魅力だが、長打が打てない課題があり、変えられないのなら打率に特化して、ヒットを打ちまくるしかない

二人とも地方大学から育成枠で入団し、二軍の試合を進める上では貴重な選手だが、一軍で活躍するためにプロの世界に入ったわけだから、いまの立場に甘んじるわけにはいかない。森友哉の去就が不確定で、もし移籍となればチームにとっては大打撃だが、二人にとっては大きなチャンスとなるので、いつ呼ばれてもいいように準備していて欲しい


内野



2022年ライオンズ二軍ファースト守備機会


2022年ライオンズ二軍セカンド守備機会


2022年ライオンズ二軍サード守備機会


2022年ライオンズ二軍ショート守備機会


内野における最大の誤算は大卒2年目コンビ、渡部健人とブランドン。渡部は打率が1割台と低迷、ブランドンは詳細こそ不明だが相次ぐ怪我があったようで19試合にしか出場できず、一軍を含めチームにとって残念な結果となった

ブランドンに関しては、試合に出れば結果を残しているので、とにかく体調を万全にしてもらうしかない。渡部に関しては猛アピールした大学4年生時代のバッティングと何が違うのか見比べて、改良するしかないのではないか

新たなコアプレイヤーが出てこないことにはチームとしてじり貧になるので、来年こそは一軍で200打席以上立てるように頑張って欲しい


一方、ポジティブなニュースとしては何と言っても滝澤夏央のブレイクに他ならない

育成枠で入団した高校生ルーキーにもかかわらず、開幕直後からショートで多くの出場を得て、源田壮亮が怪我で離脱したあと、5月13日に支配下登録即一軍でスタメン出場

高卒ルーキーとしては十分すぎる数字を残しましたが、スカウトの面々がサイズだけで判断してはダメなんだと再認識させられたことや


名ショートで鳴らした井端弘和が高卒一年目でこの守備は凄いと絶賛するなど、数字以上のインパクトを与えてくれました


ただ来年以降、中途半端に一軍に残すなら二軍で育ててほしい。源田壮亮は来年の2月で30歳を迎えるが、UZRなどデータ面ではピークを越えたとしても、我々素人が見ている分には衰えたと感じるのはまだ先だろう。来るべきに備え、来年は育成メインで起用してほしい

もう一人大きく伸びたのは山村崇嘉。昨年は確率こそ低いが一発長打が魅力のバッター。というイメージだったが、今年は長打を捨て、軽打に徹するアプローチに変え、成績が向上した

2021年:281-61(二13,三2,本6) 【打率 .217/OPS .592/BB% 3.3/K% 26.9】
2022年:219-65(二13,三1,本0) 【打率 .297/OPS .697/BB% 4.6/K% 14.6】

ただ来年以降もこのアプローチを続けてほしいかと聞かれたら、私はNOと言いたい。本人の狙いは分からないが、想像するに一年目、あまりに打てない(バットに当たらない)ため、当て感を高める意味も含め、このアプローチに変えたのではないか?とは言え、これでは怖さが無いので、もっと強く遠くへ飛ばす打ち方との併用が求められる

これができるようになれば近い将来、一軍で使われるようにもなるはずなので高いレベルを求めて頑張って欲しい


外野



2022年ライオンズ二軍レフト守備機会


2022年ライオンズ二軍センター守備機会


2022年ライオンズ二軍ライト守備機会


外野ではまず長谷川信哉の飛躍が挙げられる。昨年も東京五輪のインターバル期間に行われた練習試合でドラゴンズのR.マルティネスからホームランを放つなど非凡なセンスを見せていたが、今年は全てにおいて大きく成績を伸ばした

2021年:175-40(二11,三2,本1) 【打率 .229/OPS .616/BB% 6.2/K% 23.2】
2022年:163-51(二5,三3,本8) 【打率 .313/OPS .922/BB% 9.6/K% 15.0】

OPSは100打席以上立った202人中3位という好成績。一軍では振らなくなったボールゾーンに対して、我慢しきれず振ってしまい結果は出せなかったが、いきなり打てというのは酷な話。数年後、コアプレーヤーになれる逸材として期待したいものです

次にここ数年、殻を破れずにいた高木渉と西川愛也。2人ともOPS.800の壁を破れずにいましたが、ようやくこの壁を打破。ただ次にそびえる一軍の壁は中々破れずにいる。2人に限らず一軍の壁を破れずにいる打者は

・ストライクからボールになる球を振ってしまう
・甘く入った球を打ち損じてしまう

大体はこの二つの理由に集約される。最後のそして最大の壁を超えることができるか?もう機は熟した。ワンチャンスを掴みたい


特徴的な成績を残した選手として、仲三河優太を挙げたい

2021年:200-42(二10,三4,本1) 【打率 .210/OPS .587/BB% 7.7/K% 33.2】
2022年:117-22(二4,三0,本9) 【打率 .188/OPS .742/BB% 11.0/K% 24.3】

打率は低いものの、22安打中、長打が13本。IsoP.265は100打席以上立った202人中3位。課題はまだまだありますが、このスタイルを貫き通せば面白いバッターになるかもしれません



投手編






年代別のイニング数を見ると、一軍のローテーション投手が調整目的で投げる3月・4月を除くと、5月以降は50%以上、6月以降は60%以上と昨年以上に若手を起用していたのが分かります

ただこうなったもう一つの要因として、本田圭佑と與座海人が一軍に定着したのが大きい

本田圭佑
2021年:97.0in→2022年:32.1im
與座海人
2021年:61.0in→2022年:17.0in

今シーズンの二軍投手陣を語る上で最大のトピックが一軍の壁に跳ね返され続けた二人のブレイクでしょう

点数など付けられるものではありませんが、この二人を一軍に戦力として供給しただけでも及第点を与えられます

與座投手に至っては、侍JAPANの一員になるほどですしね


若手投手の中でも昨年と比べ、飛躍的に伸びたのが豆田泰志と赤上優人。

豆田泰志
2021年:9試合 26.2in 23奪三振 21与四球 29失点
【防御率 9.45/WHIP 2.10/K% 17.0/BB% 15.6】
2022年:18試合 81.1in 67奪三振 40与四球 46失点
【防御率 3.76/WHIP 1.44/K% 18.4/BB% 11.0】

赤上優人
2021年:12試合 11.1in 9奪三振 13与四球 6失点
【防御率 4.76/WHIP 2.12/K% 15.8/BB% 22.8】
2022年:23試合 74.1in 65奪三振 30与四球 32失点
【防御率 3.27/WHIP 1.33/K% 20.5/BB% 9.5】

豆田は昨年、練習試合ではそれなりの結果を残したが、公式戦では二軍のレベルに達していませんでした。しかし今年は毎月1回以上は先発の機会を与えられ、夏場こそ制球に苦しんでいましたが、奪三振率(K%)は月別で見てもほとんど波が無く、一年間投げ切ることに

練習試合でも4試合で16in投げており、総イニング数だと最も投げた計算となります。来年は育成3年目となり、一つの節目となりますが、正直なところ支配下登録についてはまだ難しいかなとも思います。球速が全てではないとはいえ、ストレートの平均球速は140キロをやっと超えるほどで、一軍で活躍するにはまだまだ色んな部分が足りない気がします

大学生なら3年が目安となりますが、高校の場合は5年は待ってあげたい。着実に階段は登っていますので、クオリティを更に上げていってもらえれば


一足先に支配下登録を勝ち取ったのが赤上優人。昨年同様、今年も開幕からショートイニングでの登板が続きましたが、5月以降はロングイニングを任されるようになり、奪三振が増え、与四球が減る理想的な投球内容に

ショートイニングだと100の力で目一杯投げるがあまり、力んでいたのが、ロングイニング(先発)を任されるようになると、70~80の力でセーブしながら投げないと持たないので、その結果力みが消え、良い方向に向かったのではと推察します

支配下登録に関してはコロナ禍ゆえ、離脱者が増えて投手がいなくなるのを恐れて、保険の意味合いで契約した要素が強く、残念ながら一軍に呼ばれることはありませんでした。来年以降の事を考えると、ストレートの平均球速を140キロ後半までアップさせたうえで、内容と結果が付いてくれば一軍のチャンスも出てくるのではないでしょうか


中継ぎで注目したいのが松岡洸希。開幕してから投手不足なこともあり、2試合に一度ぐらいのハイペースで投げ続けるも制球難で出ては打たれるの連続で「このままでは自信喪失するのでは?」と不安を覚えるほど

しかし具体的な時期は不明ですが、投球フォームを又吉克樹の様な"ため"を作るフォームに変え、股関節に乗せる意識で力感を抑えめに投げるように変えてからは投球内容が劇的に変化。7月以降は元々高かった奪三振率を更に上げ、与四球率が大きく減少しました

開幕から6月まで:19試合 22.2in 27奪三振 20与四球 27失点
【防御率 9.93/WHIP 2.25/K% 22.5/BB% 16.7】
7月から閉幕まで:12試合 19.2in 20奪三振 5与四球 3失点
【防御率 1.37/WHIP 0.97/K% 26.3/BB% 6.6】

後はこれを長いスパンで継続できるか?中継ぎ投手は勤続疲労が激しく、何人いても困らないポジションです。春季キャンプ→オープン戦とアピールして、一軍への切符を勝ち取って欲しい


では👋👋


参考資料



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