見出し画像

「巡り合わせ」 ライオンズ戦力外通告に思う

ヘッダー画像は「パ・リーグインサイト」さんから拝借しました

パ・リーグは10月30日をもってペナントレースの全日程が終了し、ライオンズは福岡から埼玉に移転した1979年以来となる最下位



勝率との相関関係が高いとされる得失点差において、これだけマイナスとなるのはそもそもチームが弱いし、これが2年続いているというのは大きな問題です。5位も最下位も勝てなかったという意味では同じですが、最下位のほうがより危機感を持つことになるでしょうから、チームとしても大きく動けるはず。ここからのV字回復をお願いしたいものです


チームはすでに来シーズンに向けて動き出しており、色々あった監督問題も辻監督の留任が決まり、正式な発表はまだですが、コーチ陣のシャッフル案など小出しながらも決まろうとしています



来る人がいれば去る人もいるわけで、10月5日、10月20日、10月25日の三回に分けて、戦力外通告がありました




このうち、粟津凱士(4月12日)、齊藤大将(5月20日)、伊藤翔(10月18日)の3人はトミー・ジョン手術を受けましたので育成枠としてオファー。中熊大智は入団して3年間の育成契約が終了したので、一旦自由契約となりますが、再度育成枠としてオファーしているとのことで、4人がこの条件を受け入れてくれたら、来シーズンもライオンズのユニフォームを着ることとなります


そんな中、意外だったのが綱島龍生への戦力外通告でした

2017年オフにドラフト6位指名を受けて入団。早生まれということもあり、ライオンズでは初の2000年代生まれ【※2000年1月21日】の選手に

入団後はドラフト下位指名の悲哀か、優先順位の低さもあって中々出場機会が得られずにいましたが、3年目には初ホームランを放つなど、バッティングで徐々に結果が出始めます


2018年 56試合 101-24 0本【打率.238/OPS.604】
2019年 68試合 198-43 0本【打率.217/OPS.555】
2020年 44試合 134-35 2本【打率.261/OPS.716】


そして4年目となる今シーズン、二軍の公式戦が開幕すると、
7試合 18-8 1本【打率.444/OPS1.583】
と幸先のいいスタート

ちょうどそのころ、一軍では外崎修汰が左すねの下部に死球を受け、診断結果は左腓骨骨折。全治三か月ともいわれ、長期離脱を余儀なくされます

このタイミングで一軍から呼ばれたのが二軍で絶好調だった綱島。4月4日に怪我の外崎と代わり、初の一軍登録を果たします

しかし当時、一軍には山野辺翔、山田遥楓、佐藤龍世とセカンドを守れる選手が3人(山川穂高の離脱によって、ファーストを守っていた呉念庭を入れると4人)おり、序列としては山野辺翔→山田遥楓→→→佐藤龍世→綱島龍生といったところか

その為、4月6日に大量リードを許し、中村剛也を休ませる目的もあって、途中出場した1打席(三振)のみで4月8日、登録を抹消

「もう少しチャンスを与えても」と思いましたが、代わりにスタメン出場していた山野辺翔が結果を残していたこと、1打席のみとはいえ、序列を覆すほどのインパクトを与えられなかったこともあり、残念な結果に

ただ代役として結果を残していた山野辺が、実は4月6日の試合でヘッドスライディングをした際、左手を痛めており、騙し騙しやっていましたが痛みが引かないため、4月10日に登録抹消

4月12日には「左母指MP関節尺側側副靱帯修復術」を受けて、全治は3か月



セカンドのレギュラーと代役の一番手が揃って長期離脱したことから、内野の守備固めとして開幕から一軍登録されていた山田にお鉢が回ることになります

打つほうでは中々結果を出すことはできませんが、守備では広い守備範囲で多くのゴロをさばき、強肩を生かし多くのダブルプレーを演出するなど、穴を埋める活躍

貴重なバイプレイヤーとして、一軍にはなくてはならない選手へと成長していきました


山野辺にとっても貴重なチャンスを怪我で逃すことになりましたが、綱島はあと数日、一軍に残っていれば、セカンドでの出場機会があったはず

プロ野球人生において「瞬間最大風速」が吹いた貴重な期間に出場機会を得られなかったことで、その後は二軍でも微風ぐらいの成績に収まり、5月26日を最後に試合から離れることに

その後、フレッシュオールスターに選出されるも、腰椎椎間板症のため出場を辞退するとのニュースが



7月29日には復帰するが、それ以降は
19試合 41-7 1本【打率.171/OPS.572】
と出場機会も減り、成績も低調なものに


とはいえ最終成績は

2018年 56試合 101-24 0本【打率.238/OPS.604】
2019年 68試合 198-43 0本【打率.217/OPS.555】
2020年 44試合 134-35 2本【打率.261/OPS.716】
2021年 62試合 164-42 3本【打率.256/OPS.747】

と着実に成績は向上しており「来シーズンこそは一軍で一本打てるかな」と思っていただけに、戦力外通告は意外なものでした


綱島本人は自身のTwitterでプロ野球選手としては一区切りつけると公表しており、もしかすると腰椎椎間板症の症状が思わしくないのかな?なんてことも思ったり




野球選手に限った話ではないですが、チャンスを掴む人もいれば、掴み損ねる人もいて、そこには実力だけではない運もある。巡り合わせと言えばそれまでですが、残酷さを感じずにはいられません


ただ第二の人生を始めるには若いほうがいいと言えばいい。高校卒業からプロ野球生活4年間、大学では学べないことを学べただろうから、特殊でもあるけど貴重な経験を今後の人生に生かしてもらえればと切に願います



綱島だけではなく、2018年のリーグ優勝に貢献してくれた、トレード組の榎田大樹と小川龍也、大型右腕として期待されながら中々結果を出せずに、もどかしい日々を過ごした中塚駿太、2メートル近い身長から投げ下ろす縦割れのカーブが特徴的だった大窪士夢、期待された結果は出せなかったが、二軍のイニングイーターとして試合に貢献してくれた吉川光夫、不測の事態に備え、二軍での準備を欠かさずにしてくれた駒月仁人、それぞれに思い出があり、必ず通る道とはいえ毎年寂しさがこみ上げてきます


何より、ドラフト1位で入団し、背番号18を背負い、エースとして期待された中、入団3年目には最多勝にも輝いた多和田真三郎は現在、どうしているのか?

コロナ禍という現状、そして症状が症状だけに記者も取材ができない。本人や身内、友人などがSNSをされていないことなどもあり、自分発信で何かを伝える場所もない。かれこれ2年以上は肉声を聞いておらず、現在どういう状況なのか皆目見当がつかない

身体全体を沈み込ませる独特な投球フォームとそのボールに魅了されたものとして非常に残念だが、もし本人が何かを話したいと思っているのであれば、記者の方にはオファーしていただき、この数年に起きた出来事、そして現在の心境について聞いて欲しい

多和田本人のコメントとして、まだ野球を続ける意思があるとの事なので、独立リーグなのか社会人なのか、それともクラブチームなのか分からないが、元気な姿をもう一度見せてもらえれば、これ以上嬉しいものはない



いつかはプロ野球選手を辞める日が来る

全ての選手にとって悔いのないプロ野球人生を歩めることを願っております

では👋👋

この記事が参加している募集

野球が好き

ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。