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埼玉西武ライオンズ、新外国人育成選手を獲得

今週に入り、ライオンズに新たな動きがあり、5月9日にRomer Cuadrado外野手、5月14日にJasier Herrera投手の獲得を発表しました




登録名はロマー・コドラド、ジャシエル・ヘレラとなっていますが、無理やり英語読みにしており、ベネズエラもコロンビアも公用語はスペイン語なので、本来はロメール・クアドラードとジャシエル・エレーラとなるはず

クアドラード本人も記者会見ではそのように答えており、自分自身が呼ばれてもピンと来ない名前にするより、理解できた方がいいはずので、球団には今のうちに変更をお願いしたいものです








育成枠で外国人選手を獲得するのは、2013年および2014年にアブナー・アブレイユ、アニェエル・メンドーサ、ポーフィリオ・ロペスの3選手を獲得して以来となります

外国人選手の獲得と言えば、今も昔も大きく分けて、峠を越えた元メジャーリーガーか、3A以上メジャー未満の「4Aクラス」と呼ばれる選手の2つに分類されますが、そこからさらに下のクラスとなる1A・2Aにいる若い選手を育てるのは、チャレンジはしてみるものの中々上手くいかないのが実情です

とはいえライオンズは、育成「型」外国人選手で数少ない成功を収めた球団です

その選手の名は「タイラー・リー・バンバークレオ 【※登録名バークレオ】」

今から35年前、1987年6月3日に獲得を発表



このシーズン、ようやく2Aに上がり結果を出し始めていた時に獲得しましたが、デーブ大久保氏のYouTubeチャンネルによると、球団はその前からチェックしていたそうです



当時は外国人選手2人制で郭泰源とジョージ・ブコビッチがいたので、当初の予定通り二軍生活。そして翌1988年はブコビッチが退団、球団も新外国人選手は獲得せず、バークレオが使えると判断すると、38本塁打を記録するなど大活躍。シーズン満塁本塁打4本は、門田博光(1983年)、ブーマー・ウェルズ(1987年)、中村剛也(2015年・2019年)と並び、今もパ・リーグタイ記録として残っています


残念ながら翌1989年以降は相手チームに研究されたためか成績を残せず、新たに獲得したオレステス・デストラーデが大活躍したこともあり、出番を失いライオンズを退団。その後、広島東洋カープに移籍しましたが、1年で退団し帰国となりました

指導者となってからはメジャーの打撃コーチにまで昇格し、日本のTV中継で紹介されるのを見ると「懐かしいな~」と思わせてくれたものです



少し思い出話が長くなってしまいましたが、Cuadradoは日本で成功できるのか?



改めて成績を見ると、昨年2Aで10本塁打を放ったものの、打率やOPSの低さであったり、三振率37.9%という異常な高さを見ても、荒っぽい選手なのでしょう。また守備位置もライトが一番多く、次いでレフト、センターは最も少ないのを見ると、守備の評価もあまり高くなさそうで、未完の大器といったところです


ちなみにアブナー・アブレイユが日本に来る前の成績はこの通り



これを見ると走れる分、入団前の時点ではアブレイユの方が良かったのかもしれません


ただ日本での成績を見ると、二軍でまずまずの成績は残しましたが、一軍で活躍するにはまずまずじゃダメなんですよね。細かい内容はさておき、OPS.800以上は最低限欲しいし、「助っ人」としての成績を求めるとなれば、二軍ではOPS.900以上が欲しかった

それもあってか2014年、中途半端に支配下登録&一軍昇格させ、言葉は悪いが使い捨てのような形でシーズンを待たずに契約を解除する結果に


では二軍で結果を残せば一軍でも使ってくれるのか?となると、そこが微妙なところで過去、二軍で結果を残したにもかかわらず、一軍で不遇をかこったのが、コーリー・ポールです



ポールも1Aや独立リーグ、台湾を渡り歩いていたところ、1999年にライオンズが緊急補強。そのシーズンはまずますの成績を残しましたが、翌年は堤義明オーナーが大号令をかけ、大金を用意して、バリバリのメジャーリーガーだったトニー・フェルナンデス、メジャーでフルシーズン働いた実績もあるレジー・ジェファーソンを獲得し、外国人枠の関係もあり二軍生活を余儀なくされます

そこでは打ちまくって、何と2年連続三冠王という偉業を達成。しかし2001年に至ってはアレックス・カブレラとスコット・マクレーンがいたため、一度も一軍で起用されず退団の憂き目に

入団一年目、1999年の成績が球団を満足させられなかったのもありますが、大金をはたいて獲得した選手は大事に扱うけど、安く仕入れてきた選手は扱いが雑になるのも大いにあるでしょう。我々もブランド品と100均商品では扱いに差が出るのと同じように



ここまでずっと野手の話をしてきましたが、これには訳があってHerreraに関する情報がとにかく少ない。投手全般に言えることですが、冒頭に紹介した動画ぐらいしか投げている場面が分からず、球速や球種が分からないので判断が難しい

昨年1A+で投げている数字だけで判断すれば、K%が23.6%、BB%が6.2%、K%-bb%が17.4%あるのはポジティブな情報です

ちなみにアニェエル・メンドーサとポーフィリオ・ロペスの成績は以下の通り




これを見る限り、彼ら二人よりはまとまっている。あとはラプソードやトラックマンといった測定機器でデータを採取し、判断するしかありません



今は時代も変わり外国人枠も増えたので、以前に比べ、チャンスはあるはずです

問題はどこまで我慢強く二軍で使い続けるか、その一方でどの時点で見切るのか。育成枠は3年で一区切りとなりますが、CuadradoもHerreraも一旦、2023年までの1年半で育成枠で継続か、支配下登録か、それとも契約満了するか判断するのがベターではないでしょうか

Cuadradoはコンディションさえ整えば来週中にも、Herreraも本日(5月15日)、東京行きの飛行機に乗っているようなので隔離期間を経て、週末には記者会見が開かれ、6月から投げられるはず

2人のユニフォーム姿を楽しみに待ちたいですね


では👋👋

ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。