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2021年ライオンズ前半戦の戦いを振り返る(投手編)

ヘッダー画像は「埼玉西武ライオンズ公式Twitter」より拝借しました


7月14日をもってプロ野球は前半戦が終了。東京オリンピックのため、ペナントレースは一か月近い休みがあって、8月13日に再開されますが、我らがライオンズは85試合を終えて、33勝38敗14分けで5位

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首位のバファローズとは6.5ゲーム差、CS圏内となる3位のマリーンズとは4ゲーム差。上位2チームに大きく負け越していることを考えると、ライオンズファンである私としても、優勝の可能性はゲーム差以上に厳しいと認めざるえません


とはいえ、ここであきらめていては面白くないので、まずは前半戦を振り返り、そのうえで後半戦への展望というか願望を考えていきたいと思います


まずは投手編から


一軍投手成績(20210713)


二軍投手成績(20210713)


スタメンマスク一覧(20210713)



#11 今井達也

昨年、走り込み重視の涌井式トレーニングを試すも、試合前に走りすぎて疲れた状態で登板し大失敗。その反省から、今年はダルビッシュ式筋トレ重視のトレーニングを試し、双方の良いとこ取りしたスタイルで平均球速150キロ超えのストレートを武器にようやく才能が開花しつつある


#12 渡邉勇太朗

大きな身体の割に球速が出ず、二軍でも苦労していたが、4月以降【144.1キロ→146.3キロ】と球速がアップ。6月に始めて一軍昇格すると現在、148.6キロと長足の進歩を遂げている。後半戦、勝ちパターンの中継ぎか、5~6番手の先発候補か、個人的には先発で試してほしい


#13 髙橋光成

初の開幕投手を勝利で飾ると、登板10試合で負けなし。その間、髪を伸ばし続けていたためにかなりの長髪となったが、交流戦突入と同時に調子が下降し敗戦。そして断髪の憂き目に。しかしリーグ戦再開後は復調。開幕からローテを一度も飛ばさず、110.1inを投げていることは評価に値する


#14 増田達至

開幕当初は好スタートを切るものの、4月後半から打たれだし、5月4日に登録抹消。一か月半ほどの調整をした後、6月20日に二軍で実践復帰する。今後も長く活躍してもらいたい事を考えれば、早めの登録抹消は好判断だったと思いたい。後半戦のカギを握る存在


#15 宮川哲

昨年と比較して成績が悪化しているが、与四球率は【14.4%→15.4%】と極端に悪化したわけでもなく、奪三振率は【22.3%→25.6%】と良くなっており、走者を背負った酷な場面で使われ、打たれたことで必要以上に悪いイメージがついた感もある


#16 松坂大輔

昨年7月に脊椎内視鏡頸椎手術。実践復帰を目指したが、指のしびれが治らないこともあり、7月7日に現役引退を発表する。石田雄太氏のコラムによると、2016年ごろから右手のしびれが発症していたとのこと。お疲れさまでした。ゆっくり休んでください


#17 松本航

開幕当初はストレートの球速が上がらず、ふがいない投球を繰り返していたこともあり、中継ぎに配置転換。そこで力の入れ方を再確認したのか、平均球速が145キロを超え、そこから6連勝。ストレートに頼りすぎなゆえ、指の掛かりがいまいちな時にどうするか。あともっと笑顔で!


#20 浜屋将太

開幕ローテーションに入るが、4試合で1勝3敗と結果を残せず二軍落ち。二軍では7試合中6試合で先発し、36in 152人に対して31奪三振【20.4%】とまずますの成績。中途半端に一軍へ上げるぐらいなら、今シーズンは二軍で投げ続け、来年以降の成長期間に充てるべきでは


#21 十亀剣

開幕一軍は逃すもすぐに呼ばれ、その後はそれなりに抑えるものの、左打者に対して極端に打たれることもあり、信頼を得られずにいる。しかし被本塁打がゼロで奪三振率も【17.5%】と2013年以来の成績を残しており、悪くはない。悪くはないんだけど安心もできない


#25 平井克典

不退転の覚悟で先発ローテを勝ち取り、3連勝を果たすもそこから勝てなくなり5月末には二軍落ち。最後は中継ぎに配置転換される。開幕当初、平均145キロほど出ていたストレートが140キロ前後にまで落ちており、ここが戻らないと先発はもちろん、中継ぎとしても使いづらい。早く原因の究明を


#26 佐々木健

二軍でも結果を残せていない中、一軍に抜擢され先発するもいま一つの結果に。ストレートの平均球速が【(5/3・二軍)146.7キロ→(6/6・二軍)142.2キロ】となり、一軍では142.9キロ。一旦、下に落として、投球フォームなどイチから見直して、球速を戻すことが先決では


#27 内海哲也

教育リーグの時から週一回、5in80球前後を投げ続け、6月3日に移籍以来初めてジャイアンツ戦に先発。この日は過緊張から打ち込まれたが、二度目の登板では5in3失点で抑え、勝ち投手になる。先発5番手以降が不安なチーム状況ゆえ、再度の登板を期待したい


#28 森脇亮介

昨年投げすぎた影響か右肩痛を発症、5月に一軍登録されるが、精彩を欠き、7月に再び登録抹消となる。ストレートの平均球速【144.5→144.4】は変わらないが、奪三振率【23.0%→8.9%】が大きく落ち込み、フライ打球が増える【49.5%→55.4%】などボールの質が変化(悪化)している可能性も


#29 小川龍也

左打者を苦手にしているのに左キラーを期待され、求められる役割と合わずに苦悩する。5月に5試合投げた後、登録抹消となっているが二軍では左打者も抑えており、いまなら登録してもいいのでは?6月29日の登板を最後に実戦登板から遠ざかっていたが、7月22日に復帰登板を果たす


#30 榎田大樹

二軍では5月以降、中継ぎに回り、まずますの結果を残していたが、5月18日の試合で左指に打球が直撃し骨折。28日に左母指末節骨開放性骨折・基節骨骨折に対する骨接合術を受け、全治三か月の見込み。年齢的に色々焦るだろうけど、まずはリハビリに専念してほしい


#33 リード・ギャレット

春季キャンプ時に来日してくれたことで唯一、開幕から稼働することができた外国人選手。開幕当初は4シームとスプリットのシンプルなピッチングだったが、カーブを混ぜるようになって逆に打たれている感も。一時帰国で家族とも久しぶりの対面をしており、リフレッシュしてほしい


#34 佐野泰雄

便利屋的役割を期待されつつ、便利屋にもなり切れておらず、一軍と二軍を行ったり来たりしている。御多分に漏れず左投手だけど左打者に弱く、空振りを奪うボールがないし、凡打を誘うボールもなく、今後のプロ野球人生を考えても何か武器が欲しい


#36 伊藤翔

一軍では2度先発起用されるなど期待されていたが、四球の多さもあり自滅。二軍でも結果を残せず壁にぶつかっている。一軍では平均143.3キロあったストレートが、二軍では139.7キロ(6月平均)と遅くなっており、球速アップを狙うのか、2シームとして磨くのか、自分の武器が欲しい


#40 田村伊知郎

昨年と比べ、2シームを減らし、4シームを増やした結果、奪三振率【14.9%→18.0%】は良くなったが、フライ打球とゴロ打球が逆転しており【フライ 39.5%→55.2%/ゴロ 51.2%→41.4%】、スタイルを変えたいのであれば、空振りを奪う決め球が欲しい


#41 井上広輝

春季キャンプではA班に入り期待され、開幕一軍入りを果たすも、登板した2試合とも打たれ二軍落ち。最速151キロ、平均でも145キロを超えるストレートは魅力だが、カウントを稼げる変化球が無く、甘く入ったストレートを狙い撃ちされている感がある。まずは経験あるのみ


#43 吉川光夫

期待の左腕として開幕一軍入りするも、若いころからのストレートゴリ押しスタイルから脱却できず、イーグルス戦で滅多打ちにあったこともあり二軍落ち。二軍では6月からは先発起用され、そこそこの結果は残している。ただ「そこそこ」なだけに推しづらい


#44 與座海人

開幕二軍スタートだったが、先発で結果を残して一軍昇格。奪三振率は良くなっている【10.7%→16.4%】。課題の左打者に対して、高めぎりぎりのインハイに投げれば空振りを奪えるが、ボール一個分低くなると打たれているのでそこの徹底を。あとデーゲームに弱いは何故?


#45 本田圭佑

一軍では4月末に二度の先発チャンスを貰い、まずますの投球はしたが、それ以来一軍には呼ばれず。しかし二軍では76inを投げ、防御率【2.25】、奪三振率【20.4%】、与四球率【5.9%】と十分すぎる成績。これで使わないなら本人のためにもトレードに出してあげてほしい


#47 松岡洸希

開幕二軍スタートも8試合連続無失点に抑えるなどアピールを続けた結果、5月初旬に一軍登録。しかしカウントを稼ぐ変化球がなく、ストレートも平均144.9キロと圧倒できるものでもないので、全てにおいてレベルアップしたい。二軍降格後、6月25日を最後に登板が無く、少し心配


#48 武隈祥太

昨年は一軍で全くと言っていいほど通用せず、崖っぷちに追い込まれたが、今年見事に復活。空振りは奪えなくなったが、球速は戻ってきている【(2018年)139.5→(2019年)137.0→(2020年)136.9→(2021年)138.4】。DERが.860と高すぎるため、過剰な期待は禁物


#50 中塚駿太

昨年、久々に一軍でも登板し、ようやく覚醒への足掛かりをつかんだかと思われたが、今年はオープン戦や教育リーグで結果を残せず、二軍の公式戦登板は4月10日の一試合のみ。その後は練習試合での登板しかなく、土俵際に追い込まれている。ここから土俵中央まで押し戻せるか


#54 ザック・ニール

濃厚接触者に認定されたため隔離生活を余儀なくされるなど、コロナに振り回されているが、ゴロ打球が2019年当時に戻りつつあり【60.2%→51.5%→57.9%】、被本塁打も減っていて、援護点の少なさゆえ【7.53→5.38→3.02】負け越しているだけでそこまで悪くはない


#57 斎藤大将

3月18日の教育リーグを最後に登板が無く心配していたが、5月20日にトミージョン手術を受けたことが球団から発表される。実践復帰は来年の夏ごろで本当に状態が戻ってくるのは6年目となる再来年となりそう。いまはとにかくリハビリに専念してほしい


#59 大曲錬

増田達至を彷彿とさせる伸びのあるストレートを武器にしているが、変化球が心もとなく、まだまだ経験不足といったところか。4月に3度先発をさせたがストレートしか投げられない投手に長いイニングを投げされるのは酷。短いイニング限定で経験を積ませたい


#61 平良海馬

連続試合無失点のNPB記録を更新するなど、前半戦における投手のMVP的存在。ストレート、スライダー、カットボール、チェンジアップを投げ分け、そのすべてで空振り率が10%超えと自在に操れるのが最大の強み。あと疲労を残さないよう、スイッチのON/OFFも見事


#64 上間永遠

沈み気味のストレートにカットボール、シンカーとゴロを打たせるのが特徴で、オープン戦で結果を残したこともあり先発6人目の椅子をゲット。プロ入り初勝利も記録したが、ストレートのスピード不足もあり、一軍レベルではまだまだ厳しい。来年までに3キロは増やしたい


#67 粟津凱士

4月5日に"ネズミ"の除去とトミージョン手術を行い、復帰は来年の夏ごろか。3年やって一軍登板が1試合と思い描いたプロ野球生活が送れていないと思うけど、不安をすべて取り除いたんだから、いまはリハビリに専念して、良くなったら、思う存分腕を振ってほしい


#69 水上由伸

育成ドラフト5位と最も評価の低かった投手が真っ先に支配下登録され、一軍にも抜擢。145キロを超える4シーム、右打者のインコースへ突く2シームを武器に三振を奪えた上でゴロ打球の比率が高く、内容も伴っている。更なるシンデレラストーリーを歩むことはできるか


#98 マット・ダーモディ

手薄な左の先発投手として期待されたが結果を残せず二軍落ち。二軍では配置転換され中継ぎ起用をされており、一軍では144.2キロだったストレートの平均球速が147~148キロと上がっており、二軍で寝かせておくぐらいなら一軍で使いたい。左打者に対して、インコースに投げ切れるかがカギ


#118 多和田真三郎

現在に至るまで野球選手として活動している記事や公式アカウントなどでの報告はなし。昨年は7月19日に練習試合で初めて投げており、状況は後退しているのかもしれない。このまま野球選手として留まらせておくべきなのか、考える必要も


#120 出井敏博

二軍の開幕戦に先発した後、BCリーグの武蔵HBに二か月間派遣され、週一ペースで8試合(47in)の先発経験を得る。ライオンズに復帰後も先発などで投げているが、ストレートの平均球速が138キロ前後ではまだまだ厳しい。入団当時から一年で6キロ(76キロ)増量したが、更に10キロ欲しい


#121 赤上優人

教育リーグでは抑えのような起用をされ結果を出していたので、早期の支配下登録もあるかと思ったが、その後は登板機会が減少。4月21日に二軍の公式戦に登板し一か月ほど投げたが、5月16日の登板を最後に投げていない。怪我か育成か分からないが、三軍でじっくり鍛えてほしい


#124 豆田泰志

高卒1年目の育成選手ということもあり、練習試合で投げることも多いが、
公式戦 11.1in(60人) 10奪三振 K% 16.7%
練習試合 15in(58人) 15奪三振 K% 25.9%
と奪三振率の高さに非凡さがうかがえる。まずは経験を


#125 東野葵

3年目を迎えた今年、一年前に損傷した左ひじ靱帯を再び悪化させたこともあり、4月18日に自主退団となる。本人がトミージョン手術ではなく、保存療法を選んだということだが、育成枠ゆえ、時間がないと焦ったのであれば残念でならない。新たなステージでの活躍、頑張ってください


#126 大窪士夢

今年は中継ぎを中心に二か月で13試合投げた後、6月から武蔵HBに派遣中。出井同様、身体の線が細く、ストレートの平均球速が138キロ前後では厳しい。今年3年目を迎えているが、まだまだ時間が足りない。25歳まで球団が待てるか?大窪もそれまでに結果を出せるか


まとめ

一軍の先発に関しては髙橋光成と今井達也が二枚看板として結果を出し、松本航がそこに続く。Z.ニールも負け越しているが内容は悪くなく、4人は確保できている。問題は5人目以降の先発が心もとない。平井克典の球速が戻らないようでは「左キラー」ならぬ「右キラー」として中継ぎ起用にせざる得ず、若手の上間永遠、渡邉勇太朗、二軍では結果を残している本田圭佑、與座海人、ベテランの内海哲也が候補か

ブルベン陣は増田達至の復帰が最大の焦点となる。二軍の投球を見る限り、問題なさそう。増田がクローザーに復帰できれば、平良海馬をセットアッパーとしてはもちろん、打順の巡りによっては7回から登板させることも可能になる。その為にも宮川哲、森脇亮介には状態を上げてもらわないといけないし、M.ダーモディにも戦力となってもらわないと厳しい

首脳陣の投手起用に関しては、今まで以上に西口文也投手コーチが継投に関してイニシアティブをとっている様子で、辻発彦監督はそれに対して「ハンコを押す」役目に徹しているように見える。今井達也に対して、結果が悪かったときは良いところを褒め、結果が出た時ほど改善点を指摘する操縦法は大正解だし大成功でした。弱点といわれ続けながらも少しずつ改善もしていってるので、日進月歩で投手王国復活を目指してほしい


次は野手編を書きます。今月中に書けるかな…


では👋👋


参考資料



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